ウイキリークス漏洩兵不当拘束か Newslog USA
今年の報道トップともいえるウイキリークス。4月に公表された米軍機密文書を漏洩した容疑で、マニング陸軍上等兵は7月から米国内で監禁されている。支援者は、その拘束状態は拷問に近いと主張。クレームを受け、最近国連人権理事会は調査に乗り出した。
ブラッドリー・マニング陸軍上等兵は、イラクで09年11月から10年4月まで機密文書をダウンロードし、内部告発サイト「ウイキリークス」に漏洩した容疑でクエートで拘束された後、7月からバージニア州クアンティコ海兵隊監禁施設で拘置されている。軍法会議は、来年春の予定である。
その漏洩情報の中でもウイキリークスを有名にしたのは、ビデオ「巻き添え殺人」。バグダッド郊外で2007年に行われた、ロイターカメラマンを含む市民への無差別殺人の模様を写したビデオである。ロイターからの突き上げで軍は事実を調査、その結果兵士の行動は米軍「交戦規則」に違反していないと結論した。
アパッチ・ヘリコプターから写された市民巻き添え殺人を、上部に隠していた兵士たちは、まだ何のとがめも受けていない。しかし、マニング上等兵は、独房での過酷な生活を半年も強いられている。最近の独房生活を、軍弁護士デイビッド・クームス中佐は、自身のブログでこのように綴っている。
独房は約1.8×3.6メートル。ベッド、水飲み器とトイレがある。5時起床、起床から夜8時まで睡眠をとるのは許されない。当初自殺監視下に置かれていたが、現在は傷害監視下にある。看守は5分おきに確認に来る。日に23時間は独房で、独房内での運動は禁止されている。日に1時間、独房外の部屋に連れていかれ、歩行だけが許される。夜7時から9時20分までは通信時間で、家族、友人、弁護士に手紙を書くのは許される。通信時間中、15分から20分のシャワーが許される。週末や休日には、12時から3時までの面会が許される。就寝前には下着以外は看守にあずけ、下着のみで眠る。枕やシーツは許されないが、じゅうたんともいえる重い毛布をあてがわれる。ごつごつの毛布は裸に近い体にすれ、痛みで目覚めることも多いという。
クームス中佐の他に面会を許される数人の一人、友人のデイビット・ハウス氏は、ブログ「Firedoglake」で「約半年にわたる独房監禁で、マニング上等兵の肉体的、精神的状態は悪化してきているのは明らか」と書いている。人間の神経組織は、感覚的・社会的な刺激が、普通の脳の活動を維持するのに必要である。長期にわたる隔離状態は、脳障害に損傷をもたらすという。
憲法・人権問題の弁護士でブロッガーでもあるグレン・グリーンワールド氏は、ネット紙サロンで、マニング上等兵の状況は「拷問」かどうかと議論をもたらした。ネットを中心に、マニング上等兵を支援、救済する声も高まってきている。兵士への支援団体「抵抗する勇気」や、「マニング支援ネットワーク」には、すでに11万ドル(約910万円)を越える寄付がなされている。10万ドルが、裁判費用に必要と言われている。
また、自らの危険をかえりみず、「人々に真実をみてほしい」と大胆な行動を起こしたマニング上等兵を「英雄」とあがめる声も多い。1971年ベトナム戦争に関する極秘報告書、「ペンタゴン・ペイパーズ」を漏洩した罪で起訴されたダニエル・エルズバーグ氏も、その一人である。
これらの支援者は、ジュネーブに本部をかまえる国連人権理事会へ、マニング上等兵監禁状態は拷問に値するのではというクレームを送っている。それに基づいて理事会の専門家マンフレッド・ノーワーク氏は、調査に乗り出したという。
マニング氏が看守に協力的であると、米メデイアは伝えている。それならば、暴力行為で告発されていないことを考えると、なぜそのような極端な監禁状態が必要なのかという疑問がある。
ケーブル・ニュースMSNBCの取材に、ウイキリークスの創始者であるアサンジ氏は、「マニング上等兵は、政治犯としてとらえられているようだ。米国は彼を自分と共謀した証人として使いたいようだが、実にナンセンス。彼の名前は、メデイアに登場するまで知らなかった」と話している。(ブログ「Newslog USA」より)




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