米議会一般教書演説は政治ショーか Newslog USA

 25日米議会で、オバマ大統領の一般教書演説が行われた。例年になく共和党・民主党議員は入り交じって席に着き、大統領は党派をこえて共に前進しようと強調した。しかし、共和党議員や国民の受け取り方は違うようだ。

 議会に対する毎年恒例の一般教書演説、例年なら敵・味方のように共和党・民主党議員は分かれて座っているが、今年は両党議員がペアーのように席に着いているのが、まず目を引いた。アリゾナ州での銃乱射事件で両党の対立が問題となり、オバマ大統領が「礼節を示そう」と提案したこともあって、両党議員たちが仲良く一緒に座っているという格好になった。

 まず、オバマ大統領は演説で、米国は技術革新で他国から遅れをとっている現実をあげ、米国の国際競争力を高めることを強く主張。そのために教育、エネルギー分野や社会基盤への投資は重要と強調した。

 未来を勝ち取る最初のステップは、米国の革新を奨励することにあるとした。具体的には、2015年までに100万台の電気自動車を米国内で走らせる。2035年までに80%の電気をクリーンエネルギーにたよる。

 次に教育問題を取り上げ、4分の1の高校生が卒業できない現実をあげ、次の10年間で、10万人の理系分野の教師を増やし教育レベルを上げると提案した。不法移民といえども、優秀な若者には門戸を開くとした。

 さらに、次の5年間の約4000億ドル歳出カットと財政赤字削減。医療保険改革法案にも触れ、詳細見直し案があれば共和党とすり合わせてやっていこうという姿勢を示した。しかし、現在多くの市民が懸念している雇用問題改善への、具体策は出てこなかった。

 演説冒頭から、随所で大統領は「党派をこえて共に前進しよう」と訴えかけた。多くの議員は、賛同したかのように拍手し立ち上がった。

 しかし、演説に対する共和党の正式声明で、ポール・ライアン下院予算委員会議長は「大統領は、連邦財政赤字に何も取り組んでいない」と批判。さらに、ミッシェル・バックマン下院議員(ミネソタ州選出)は、テイーパーテイ(茶会運動)を代表した形で声明を発表した。バックマン氏は、茶会運動クイーンとも言われている存在、下院茶会運動幹部会の創始者でもある。2012年の大統領選出馬も、メデイアで取り沙汰されている。

 バックマン氏は、ここ2年間での失業率増加・財政赤字の増大に対し、オバマ政権を激しく批判した。また、医療保険改革法は「どの電球を買うべきかを国民に強制しているようなもの」と非難した。

 このバックマン氏の声明を聴く限り、前向きに一緒に進もうという姿勢は見られない。「現在の不況も失業率も何もかも、私には関係ない。すべて大統領の責任」ともとれる。2007年から下院議員の席にいる者としての責任や、将来に向けての積極的な意見は聞かれない。オバマ氏の「共に進もう」という声は、全く素通りしているようである。

 オバマ大統領の演説は、多くの「いい考え」に溢れていた。米国が世界の頂点に立ち続けるには、革新と責任は不可欠という大統領の言葉は最もである。しかし、大統領が挙げた「いい考え」は、民主党だけでは実現できない。下院を押さえた共和党との協調が必要となってくる。「いい考え」がそれだけで終われば、一般教書演説もショーで終わるという印象を国民に与えるだろう。

 この一般教書演説は、4大テレビ局が放送したにもかかわらず、視聴者は推定約2600万人。成人人口から見ると、約12%が視聴したこととなる。国民の関心のなさがうかがわれる。さらに、26日実施のギャラップ世論調査によると、約半数の国民が「議会で両党が一緒に座ったとはいえ、今年2党が協調していくことになるとは思わない」と回答している。(ブログ「Newslog USA」より)

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1 コメント

  1. Tweets that mention 米議会一般教書演説は政治ショーか Newslog USA : ニューズ・マグ -- Topsy.com / 11.01.29 7:54 PM 

    [...] This post was mentioned on Twitter by 小林恭子, ニューズマグ. ニューズマグ said: 米議会一般教書演説は政治ショーか Newslog USA http://www.newsmag-jp.com/archives/7045 [...]





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