「新聞を読まない若者はバカになる」か? y-monkey
「新聞をあまり読まない若者はバカになっていく」という類の主張をよく見かけます。これは日本の若者限定なのか、それとも先進国を視野に入れていっているのかわかりませんが、それは必ずしも正しくはないでしょう。
まず、先進国にに限定した場合。20年前のインターネット普及開始時と違って現在はSlateやHuffPost、ProPublicaなどのオンラインベースメディアが発達しており、仮に新聞社・テレビ局が倒産してもかなりの有力な情報源が揃っている。
また、倒産した後でもそこにいた有力な人材はオンラインメディアに雇用され、成長を続けていくことが十分予測できる。「新聞社・テレビ局がつぶれると情報源がなくなる」説はかなり疑わしいものになります。
今紹介したのは英語圏での話ですが、韓国でも市民ジャーナリズムのサイトが発達しています。特にOhMyNewsはその中でも巨塔で、韓国の大統領選の票を動かすほどの影響力を持っています。一時は日本でもサービスをしていましたが、数年前に撤退しています。
次に、日本限定での話です。今挙げたOhMyNewsのように、日本でもJanJanNewsなどの市民ジャーナリズムがありますが、今のところ影響力を持つにはいたっていません。
ここには権威に弱い日本人的性質が現れているのかもしれません。あるいは、署名記事が極めて限られていることから個人としてのジャーナリストが成長しにくいのかもしれません。
しかしながら、3.11以降のマスメディア・マイクロメディア(e.g. Facebook,Twitter)・フリージャーナリストの報道を追っていると、マスメディアの不可欠性は次第に薄れてきていることが見て取れます。
そうはいっても、新聞・テレビなどのマスメディアは今の日本にとっては無くてはならない存在であることは動かしがたい事実です。それは、十分なメディアリテラシーが日本で根付いていないからです。
イギリスは1930年代に大衆文化の発達に伴い啓蒙文学が廃れたことから、「Media Education」として教育が始められました。カナダでは1980年代に衛星テレビ・ケーブルテレビの普及によるアメリカ的価値観の流入からアイデンティティを守るために始められました。
しかし、日本で始まったのは2000年代。実際、カナダ・イギリス以外の国ではまともにメディアリテラシー教育が行われている国はあまりありません。インターネットが発達し情報量が増えていく中でメディアリテラシーはますます重要になるにもかかわらず、です。 このような状況のままインターネットが情報の中心になってしまうと、日本の若者は断片的な事実のみを理解し、総合的な判断能力を持たないまま社会を生きていくことになります。
そもそも新聞・テレビとネットメディアの違いは何でしょうか?それは、情報のまとまり方に違いがあります。新聞の場合、余程連日報道されている事件でもない限り、多くが背景説明を含みます。しかしネットメディアの場合、その多くが中心的事実や主張のみを中核に扱う傾向が見られます。
インターネットがあるのだから背景事実は検索すればいいではないか、ということになりますが、多くの人々は面倒臭がってそこまでやりません。やったとしても、そこで出会うのはまたしても断片的な事実なのです。
また、(日本の場合)多くのネットメディアの記事が匿名である以上、事実関係の確認は困難な状態にあり、正当性を保証することは出来ません。
しかしながら、このような状態がいつまでも続くのは好ましくありません。マスメディアはあくまで「参照」されるべきもので、多くのメディアを使いながら、本当の事実を主体的に探っていくことが情報の受信者には求められます。(サイト「ymonkey」より 筆者のツイッター @Watalogy)
新聞記者たちが作ったカップめん
東京ではちょっと考えられないことかもしれません。新聞社と即席麺メーカーがタイアップして、カップめんを開発しました。産経新聞大阪本社社会部の記者たちでつくる「大阪ラーメン部」とエースコックによる「それゆけ!大阪ラーメンプロジェクト」第1弾です。開発の経過は、記事として産経新聞の大阪本社発行紙面に連載されました。エースコックのサイトの以下のページに、各記事へのリンクが順を追って読みやすいように、整理されています。現在は第2弾の開発に着手しているとのことです。
※エースコック「『それゆけ!大阪ラーメン』プロジェクト第1弾」
http://www.acecook.co.jp/brand/osaka/vol1.html
昨年12月の発売以来、一度食べてみなくてはと思っていたのですが、ようやくその機会を得ました。カップには紙面そのままの青い題号をつけ「号外」と銘打つなど、遊び心(?)も十分。食べてみての感想などは裏ブログに書きましたので、そちらを参照いただければうれしいです。
※一生の食事回数には限りがある「産経新聞大阪社会部とエースコック『それゆけ!大阪ラーメン』」
http://news-worker2.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-3ca0.html
わたしたち新聞を仕事にしている者の間では、新聞社を問わず大阪や関西の新聞づくりの特徴として「生活の営みを大事にする」ということがしばしば言われます。「食」も生活の営みそのもの。ラーメンを作ってみよう、との記者たちの発想も、大阪ならではかもしれません。(ブログ「ニュースワーカー2」より)
「差別」「不平等」意識にギャップ~沖縄紙と全国紙が2件の合同世論調査
沖縄が日本に復帰して、ことし5月15日で40年になります。期せずして沖縄の地元新聞と全国紙の組み合わせによる2件の合同世論調査の結果が、4紙それぞれの9日付朝刊の紙面に掲載されました。沖縄タイムス―朝日新聞、琉球新報―毎日新聞の2組です。
※沖縄タイムス「県民の50%、沖縄の基地集中は『差別』」
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-05-09_33496/
※琉球新報「『辺野古反対』県内9割 全国6割『県外・国外』」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190959-storytopic-1.html
わたしが注目しているのは、沖縄の基地負担についての調査結果です。タイムス―朝日調査によると「沖縄の米軍基地が減らないのは『本土による沖縄への差別だと思う』と答えた人が、沖縄では50%に上り、全国は29%」(沖縄タイムス記事)でした。新報―毎日調査では「沖縄に全国の米軍基地の74%が集中する状況に県内の7割が『不平等』と答えたが、全国は3割超」(琉球新報記事)とのことです。表現として「差別」を使うか、「不平等」という言葉にとどめるかはさておき(新聞が「差別」という言葉を踏み込んで使うことの意味も小さくはないのですが)、二つの調査に端的に共通しているのは、沖縄と本土(ヤマト)の意識に大きなギャップがあることです。基地負担をめぐって沖縄の人々が「差別されている」「不平等を強いられている」と考えているほどには、本土に住む日本人は差別をする側、不平等を強いる側に立っているとは考えていない、ないしは自覚していない、ということだとわたしは受け止めています。
もともと、沖縄の米軍基地は沖縄の人々が望んで得たものではありません。復帰から40年たつ今も、沖縄に基地負担が集中しているのは日本国の国策による結果です。その国策の正統性はどこにあるかと言えば、突き詰めていえば選挙の結果です。私見を少し明らかにすれば、本土に住む日本国の有権者は、一人ひとりが日本国の主権者の一人として、基地の沖縄集中に加担している立場から逃れられるものではありません。個人として現政権を支持していない、選挙では別の政党に投票した、そもそも日米安保条約に反対だ―等々の事情もあるかもしれません。しかし、それらの事情は、差別する側―される側の関係ではあまり意味はないように思います。
合同世論調査の結果は、朝日新聞、毎日新聞もそれぞれ紙面で報じました。わたしが住む大阪では、朝日新聞は第3社会面の半分近くを割いて、本記と谷津憲郎・那覇支局長の署名入りの解説、質問と回答一覧の計3本の記事を掲載。本記の主見出しは「『減らぬ基地は差別』50%」でした。毎日新聞は本記を1面に掲載し、主見出しを「『不平等』全国33%沖縄69%」と取りました。ほかに2面(総合面)に質問と回答を載せました。沖縄をめぐるこうした報道が、本土のマスメディアで増えてほしいと思います。(ブログ「ニュースワーカー2」より)
「原発ゼロ」と関西のマスメディア・新聞
少し日がたってしまいましたが、備忘も兼ねて書き留めておきます。
昨年3月11日の東日本大震災と、東京電力福島第一原発事故の後、全国各地で定期点検入りした原発がそのまま再稼働していない中で、最後の1基になっていた北海道電力泊原発3号機が5月5日、定期検査入りし、午後11時3分に発電を停止しました。翌6日午前4時には、原子炉の運転を完全に停止。日本の商業用原発がすべて運転を停止する状況となりました。商業用原発が2基だけだった1970年以来、42年ぶりのことです。これから日本の原発をどうするのかについては、即時廃止、段階的廃止、一定数維持など、選択肢がいくつかありますが、この時点で「原発ゼロ」が現出したことは、社会的な関心がきわめて高い、大きなニュースだと思います。
わたしが住む大阪でも、大手紙の6日付朝刊(大阪本社発行の最終版)は、朝日、毎日、読売、産経が1面トップ、日経が1面準トップでした。関西では、福井県にある関西電力大飯原発3、4号機を再稼働させるかどうかをめぐり、隣接する京都府、滋賀県の両知事のほか、橋下徹大阪市長や橋下氏が代表の「大阪維新の会」幹事長の松井一郎大阪府知事は一様に慎重姿勢を見せています。とくに橋下氏と大阪維新の会は、次期衆院選で国政に進出する方針を表明しており、政府の原発再稼働方針に激しく反発し、総選挙での争点化も企図しているようにうかがえます。しかし一方では、橋下氏は大飯原発が再稼働せずに今夏の電力需要ピークを乗り切るには、企業支援のための新たな増税が関西の住民に必要と発言(4月26日の共同通信の関連記事)。高い支持を誇る橋下氏の「増税発言」がどのように受け止められるのか、新たな要因も出ています。大飯原発の再稼働問題では、福井県が電力消費地である関西の理解を得るよう政府に要望しており、仮に福井県が政府方針を了承したとしても、直ちに再稼働するのかどうかは不透明だと、わたしは受け止めています。
いずれにせよ「原発ゼロ」が終わることがあるとすれば、現状では大飯原発3、4号機の再稼働しか考えられず、そこに関西地域の意向が無関係ではないとすれば、関西のマスメディアがこの問題をどう報じるのかを考察することも、今後、わたしたちの社会が原発問題と向き合う上で何がしか意味があるのではないかと思います。「関西地域の意向」も、それが自治体首長の意向なのか、それともほかの何らかの形で表れる民意なのか、といった問題もあるでしょう。
実は今月下旬、ある勉強会の場で、大飯原発の再稼働問題をめぐって地元の意向と在阪のマスメディア、中でも新聞各紙の報道について報告をすることになりました。その準備も兼ねて当分の間、上記の問題意識のもとに、在阪各紙や京都新聞、神戸新聞などの報道の中で、目に留まったものを随時、書き留めていきたいと思います。
今回は「原発ゼロ」を伝える各紙5月6日付朝刊の主な記事と見出しの記録です。全国紙はいずれも大阪本社発行の最終版です。
【朝日新聞】
▽1面
トップ「原発ゼロ 節電列島」「再稼働なき夏 現実味」
竹内敬二編集委員「電力選択 国民の手で」
「企業、連休中に『作りだめ』」(3面に続く)
▽2面
「原発 決別か依存か」「政府 方向定まらず」「世論の反発、想像以上」
▽3面(1面から続き)
「夏の電力 自ら守る」「企業備え急ピッチ」
「需給予測さまざま 『16%超不足』『足りる』」
「『家庭向け、12%減を』関電管内 シンクタンク案」
「関西自治体知恵で勝負 節電税で奨励金・昼間の休暇・宝くじ」
▽8面
社説「『原発ゼロ』社会(下) 市民の熟議で信頼構築を」
ザ・コラム「ふたつの『レベル7』 福島は違う道をたどれるか」(渥美好司福島総局長)
▽34面(第2社会)
「原発止めたままに」「福島→福井400キロ避難の女性」
「『ここから再び一歩』各地でデモ」
【毎日新聞】
▽1面
トップ「国内原発 稼働ゼロ」「全50基 42年ぶり」「大飯見通し立たず」
倉重篤郎論説委員長「ゼロから考える好機」
▽2面
「頼みの火力は老朽化」「急停止 停電の恐れ」
「国に安全確保要求 立地首長」
▽3面
「再稼働 政府誤算続き」「手続き批判 伊方頓挫」「規制庁未発足 体制整わず」(原発ゼロ 下)
「質問なるほドリ 原発事故の心配はなくなったの?」
▽5面
社説「国のかたちを考える 8エネルギー 原発『出口戦略』を練ろう」
▽6面(経済・総合)
「『脱依存』見えぬ将来像」「電源構成巡り紛糾」
▽31面(第1社会)
「生き方 再考の日」「各地で市民集会」
「労技術者 ジレンマ」「大阪万博に供給の自負」
▽30面(第2社会)
「節電8割前向き」「『周辺も同意必要』62人」(100人アンケート)
「政府の対応に不安=山形・自主避難の主婦」(「原発ゼロに思う」)
【読売新聞】
▽1面
トップ「原発50基 全停止」「42年ぶり 泊3号機検査」
▽2面
「規制庁メド立たず」「敦賀市長『判断の土壌乗れない』」「大飯『地元同意』溝深く」
丸山淳一経済部長(東京)「再稼働は拙速か」
▽3面
「節電の夏 綱渡り」(スキャナー)
「対策費『数億円』の企業も」「火力、無理やりフル稼働」
▽6面(国際)
「ベトナム『原発継続』期待」「角国、日本の廃炉注視」(バンコク、ウィーン)
▽30面(第2社会)
「停電 おびえる命」「人工呼吸器 電源確保に苦心」
「涼グッズに熱視線」
「『再稼働反対』500人デモ行進 御堂筋」
【産経新聞】
▽1面
トップ「電力不足 リスク連鎖」「原発稼働ゼロ 42年ぶり」
「経済停滞/熱中症増加/途絶える技術」
▽2面
主張「異常事態から即時脱却を 安全技術の継承は生命線だ」
▽3面
「節電20%超 企業悲鳴」「『いつまで協力』『業績回復に水』」
「計画停電 観光・医療も影響」(関西電力管内サイド)
「活気戻れ 再稼働期待」(泊村)
▽26面(第2社会)
「『大飯再稼働を』『安全大丈夫?』」(大飯町表情)
「『地元同意』連休明けヤマ場」
【日経新聞】
▽1面 ※トップは「米マイクロンが買収へ(エルピーダ)」
準トップ「国内原発 稼働ゼロ」「42年ぶり、泊3号機が停止」
「『エネルギーを問う』第5部原発ゼロの試練・下 再稼働へ条件整備急務 手探り続く安全対策」
▽3面
「再稼働 月内決着は微妙」
「電力確保、見通せず 周辺自治体 政府に不信感」
「企業、自衛策急ぐ 生産分散や自家発電」
「脱石油戦略岐路に 原発、事故・不祥事相次ぐ」
▽30面(第2社会)
「『泊』停止に地元複雑」「村の経済痛手/再稼働は慎重に」
社会面に見開きで関連記事を展開したのは毎日だけでした。毎日の第2社会面の「100人アンケート」は、大阪本社と管内の総支局が、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山、福井、石川、広島、岡山、島根、香川、愛媛の各府県で取材したものです。
以下に、京都新聞と神戸新聞の主な掲載記事と見出しも記録しておきます。
【京都新聞】
▽1面準トップ「国内全原発が停止」「42年ぶり 泊3号、定検入り」 ※トップは北アルプス遭難8人死亡
▽2面:社説「『生き方』考え直す契機に」
▽3面:表層深層「夏の関西 計画停電も」「『大きな無理お願い』」「経産相言及 企業の自衛限界」
識者談話「『エネルギー危機』象徴」=吉川栄和・京都大名誉教授
識者談話「『全廃炉』の出発点に」=小林圭二・元京都大講師
▽第2社会面「節電成功し全廃炉実現を 関電京都支店前で集会」
「動かさないのが現実的 被災地」「仕事激減、早期再開を 立地県」
【神戸新聞】
▽1面準トップ「国内の全原発停止」「42年ぶり 電力政策、転機に」 ※トップは北アルプス遭難8人死亡
▽3面「原発ゼロの夏 現実味」「計画停電 実施含み」「関電管内 企業、自衛策に奔走」
大型識者談話「地域間格差 解決策示せ」=社会学者開沼博氏
識者談話「再稼働、極めて困難」=危機管理コンサルタント田中辰巳さん
識者談話「現実見据え、冷静判断を」=奈良林直・北海道大教授
▽第2社会面「稼働ゼロ 兵庫の問い」「未来へ記念すべき日・地域経済に打撃深刻」(「原発考」)
「国策に揺れる旧炭鉱村 泊」
(ブログ「ニュースワーカー2」より)
お勧め番組 13日「NHKアーカイブス NHKスペシャル 沖縄 安保と基地の間で①」 ほか
週末の番組案内です。
12日(土)
午後8時 BS日テレ 「イタリア 小さな村の物語 チェッレ・ディ・サンヴィート」
●午後9時 BSジャパン 「池上彰のやさしい経済教室 本当に年金はもらえるのか」
午後9時 NHK総合テレビ 「NHKスペシャル 元祖カワイイ 世界を駆けるニッポンブランド」
●午後10時 NHKBS1 「ドキュメンタリーWAVE 嘆きのギリシャ 700ユーロ世代の真実」
13日(日) 午前10時 テレ朝 「報道ステーションSUNDAY」
●午前10時5分 NHK総合テレビ 「復興サポート 福島発 エネルギーシフト」
◎◎午後1時50分 「NHKアーカイブス NHKスペシャル 沖縄 安保と基地の間で①」
※2000年の番組の再放送です。これはぜひとも見てください。こうした番組を見て、本土が沖縄に何を押しつけてきたかを知るだけでも、必要でしょう。
◎午後3時半 NHKBSプレミアム 映画「東京物語」
※監督小津安二郎の最高傑作です。現代における家族とは何か? 近代資本主義が日本の家族を崩壊させたことを、実に淡々と描いていきます。
◎◎午後8時 NHKBS1 「ドキュメンタリーWAVE 脱原発の街は生き残れるか ドイツ 小さな街の再生への模索」(再放送) ※日本の未来をも指し示す、興味深いドキュメンタリーです。
◎◎午後10時 NHK教育テレビ(Eテレ)
「ETV特集 本土復帰40周年 テレビが見つめた沖縄」
※とにかく、見てください。NHK内部のジャーナリストの底力は、教育テレビ(Eテレ)とBSで示されます。
◎午後11時半 NHK教育テレビ(Eテレ) 「サイエンスZERO シリーズ原発事故(7)”冷温停止状態” 浮かび上がる課題」 ※この番組も、原発事故に関しては、なかなか的確で鋭い指摘をしてきました。さすが教育テレビ(Eテレ)。同じNHKでも、政府の主張を垂れ流すだけの総合テレビ、とくに「ニュースウォッチ9」などとは違います。NHKの2つの面を知るために、これも参考になるでしょう。
(大妻女子大・波津博明先生のメールより)
【Op-Ed】 『反原発を訴えるだけが客観報道ではない』 y-monkey
『反原発を訴えるだけが客観報道ではない』http://y-monkey.blogspot.co.uk/2012/04/blog-post.html に対するコメントをOp-Ed的にまとめてみました。
※Op-Edについてはこちらを参照
http://u3w.jp/archives/category/oped
日本の新聞社は社説などで自社の意見を主張することにはもっと積極的でよいと思います。一方、紙面としてはおっしゃるような推進派と反対派の意見を比較するような客観性がもっとほしいと思います。客観報道みたいな顔をして一面的な報道しかしていないことがもっとも困ったことです。日本の新聞が客観報道と自称するのは本当にそう思ってるなら情け無いことだし、そう思わないで言っているなら一種の犯罪です。
>>以上、「アゴラ」より引用
原発にとって不都合な隠されていた数字が次々表面化している。 (原発が安価なエネルギーだと喧伝されていたことなど最たる例) まずはブラックボックスだった情報を全部白日の下にさらすことが必要だ。 議論の大前提に疑惑があるようでは、何を言っても意味が無い。
日本の大手マスコミに「客観報道」という考え方はなく、むしろ、「社会の木鐸」という考え方が支配していると思います。
例えば、日本の新聞やテレビが、Newsweekのような両論併記の形で報道したとたんに、クレームを浴びせる読者・視聴者がいると思います。彼らにとって、両論併記は「不安」の始まりだからです。彼らは大手マスコミに「社会の木鐸」という役目を求めています。その結果が第二の太平洋戦争であっても、懲りない面々なのだと思います。
一方、客観報道は自立した読者・視聴者のための報道姿勢と思います。新聞・テレビは営利企業である必然性から、いずれの姿勢を重視すれば儲かるのかを勘案せざるを得ないのだと思います。
スポンサーの意向に左右されるのは、ある程度仕方がないことなのでしょう。
ただ、報道と名が付く以上、両論併記した上で「社会の木鐸」たる姿勢を示していただきたいものですよね。
マスコミの今のやり方は、結果的に非常に巧妙な情報操作になっているのではないでしょうか。 結果的にとしたのは、単にマスコミの劣化、能力不足が原因ではないかと見えることもあるからです。
東電をはじめとする原発推進側の情報開示が充分になされていない現状では、その時点で 中立的な報道自体に無理があります。
隠された情報の中には、原子力発電に関する不利なデータがあるのは事実です。
中立な報道を主張されるなら、まず、この情報隠蔽の姿勢を糾弾することが先決でしょう。
また、本来なら既に次の主力エネルギーについて論じられている段階で、未だに原発稼働 の賛否を問うようなエネルギー政策全体の足を引っ張るような姿勢にも大いに疑問を感じ ます。
既に、脱原発方向に行くことを認めているのなら、今後原子力発電をどうするかは全体の エネルギー政策の一部分として論議されるのが当然です。
また、情報がない或いは、計画中で具体的ではないとの理由でバックエンドを含めた原発 のコスト論がありません。原発建屋の貯蔵プールにしろ5年で収容容量を超えます。
原発推進をする方は「今」経済がとか電力量がとかいいますが、では、今後5年間のスケ ジュールをと言った具体性が何もありませんね。
エネルギー政策は「今」どうするかではありません。短・中・長期で論じることが必須の 案件です。
「原発賛成派」の主張は、国会報道、政治報道という形でさんざん流れてると思うのでそんな配慮しなくてもいいんじゃないかな。
つまりバランスというのは、
(1)そのページ内、その記事内でバランスが取れている (2)報道全体としてバランスが取れている があるてことですよね。
で坂田氏は今回の記事では(1)を言ってるんでしょうか。 でも(2)の形でバランスが取れてることもありうるわけですよね。たとえば自民党政府はブッシュのイラク戦争に賛成しました。それをニュースとして報じるだけで戦争賛成派に紙面を割り振ってることになるわけです。すると個別の記事では戦争反対派に比重を置いても、全体としてはバランスが取れてるとみることもできるわけですね。
原発も似たようなものかもしれません。
放射能による死者はいないのに福島の原発事故で1万人くらい日本人が死んだのか?と在日外国人が不思議がるほど日本の報道と世論操作は異常です。明らかになんらかの意図を持った宣伝工作活動でしょう。一方で東電の原発技術者が中国等にヘッドハンティングされています。これだけ政治的にナイーブで臆病で無責任な国民の行く末が案じられます。きっとチベットのような国になってしまうのでしょうか。反原発派の連中の無責任な言動がどれだけ日本の国益を損ねているか、後になってからわかってしまっても、もう手遅れなんですけどね。まあその程度の知能しかなかった国民の哀れな末路として享受するしかないのでしょうか。
マスコミも商売ですので、大衆が関心を持つ事しか取り上げないでしょう。原子力が安全と言っても見向きもしないので、如何に危険か大衆受けするように報道するのです。 この流れで、不安を煽る学者は信頼され、正論を論じる学者は御用学者と切り捨てられているのが現状です。 原発はテロ対策で取材制限もあり、この辺りを説明もしないで、隠ぺいしていると片づけて終わってしまうのです。
>>以上、「BLOGOS」より引用
(サイト「ymonkey」より http://y-monkey.blogspot.co.uk/)筆者のツイッター @Watalogy)
お勧め番組 ー9日深夜 NHKBSプレミアム 映画「マンデラの名もなき看守」ほか
(大妻女子大・波津先生のメールから、一部をご紹介。)
3日間のお勧め番組です。
絶対お勧めは、深夜のNHKBSプレミアム、映画「マンデラの名もなき看守」です。
9日(水)
午後1時 NHKBSプレミアム 映画「利休」
午後7時半 NHKBSプレミアム 「美の壺 ハイヒール」
午後8時 BS朝日 BBC地球伝説「ロンドンの大時計塔ビッグベン」
午後10時 NHK総合テレビ 「歴史秘話ヒストリア いつも気張ってたたかった 土方歳三」
午後10時 BSTBS 映画「銀座の恋の物語」
●午後11時 NHK教育テレビ(Eテレ) 「100分de名著 カフカの変身②」
◎◎深夜0時25分 NHKBSプレミアム 映画「マンデラの名もなき看守」
※21世紀直前まで、恐るべき人種差別体制を続けてきた、悪魔的な国家、南アフリカ。それに対してたたかった黒人解放運動の最大の指導者ネルソン・マンデラが、白人独裁政権によって投獄されているとき、マンデラの監視役を勤めた白人刑務官がいた。差別主義者だった彼は、マンデラの高潔な人格と、全人類の自由と解放を目指すその思想に魅かれていく。
もしマンデラが、白人支配を打倒して、黒人が支配する新たな差別体制を作ろうとしているのだったら、絶対にありえなかった展開。普遍的正義がマンデラの側にあったからこそ、看守も認識を改め、人間として革命的な成長を遂げた。「思想」の力です。
3年生は、「マスコミュニケーション論」で、南アのもう1人の黒人活動家ビーコと、その思想を伝えようとする白人ジャーナリスト、ドナルド・ウッズの闘いを描いた映画「遠い夜明け」を見ているところですが、「関連学習」としても、是非見てください。 逆に、「マンデラの名もなき看守」を見た人は、ツタヤで借りてきて、「遠い夜明け」も見てください。
10日(木)
◎午後11時 NHK教育テレビ(Eテレ) 「仕事学のすすめ 姜尚中 ②逆境から天職を得る」
※第2回です。ぜひどうぞ。
◎深夜1時 NHKBSプレミアム 映画「懺悔」
※社会主義国(といわれた)ソ連を20年以上にわたって独裁支配したスターリン。その恐怖の政治を、たとえを用いて批判した勇気ある映画。監督は、スターリンと同郷グルジア共和国のマハラッゼ。北朝鮮の金王朝の手法は、このスターリン主義と、大日本帝国の天皇支配・・その2つの融合といえます。その意味でも、国際政治に関心のある人は、これは必見です。
11日(金) 午後9時 NHK教育テレビ(Eテレ) 「バリバラ ここがへんだよ 健常者」
◎午後9時 日テレ 映画「風の谷のナウシカ」
※説明不要でしょうが、本当は一言いいたい。でも、もう遅いので、やはり言わない。なんのこっちゃ・・
◎午後11時 NHKBS1 「BS1スペシャル オキナワ 世界は沖縄をどう見ているのか」
※本土復帰から40年の沖縄。しかし、米軍基地の存在は、何も変わっていない。いったい、日本人にとって沖縄とは何なのかも重要ですが、ここでは、世界はどう見るかを考える・・・そうです。とはいえ、内容を見ていないので、実は推薦の足るものかどうかわからないのです。ただ、日本のメディアは、沖縄をこう位置付けている・・・ということがある程度わかる、」という意味では、どう描いても一見の価値はあるでしょう。
ビッグイシュー日本版が、東京でインターンを募集中
ホームレスの人が販売する雑誌「ビッグイシュー日本版」が、東京事務所でインターンを2名募集している。
以下はウェブサイトから
東京事務所にて、インターンを2名追加募集します。
販売サポートスタッフの様々な業務をサポートしていただくインターンを募集します。
(1)業務内容: ホームレスの人々が、ビッグイシューをより効果的かつ継続的に、路上で販売するためのサポート(雑誌販売のサポート業務全般、ポスターやチラシの作成など)
(2)募集人員: 2名(20歳以上) 5月から勤務可能な方 2名
(3)勤務期間: 2012年5月25日前後~2012年11月30日(約6ヶ月間)
(4)勤務条件: 平日を含む週2日以上(または、週15時間以上)
(5)勤務地: ビッグイシュー日本 東京事務所 東京都新宿区住吉町8番5号 シンカイビル201号室(地下鉄 都営新宿線曙橋駅A2出口 徒歩2分)
(6)手当: 交通費全額支給(上限 往復1500円,定期区間外に限る)、保険に加入していただくことも可(別途500円)
(7)応募方法: 以下の内容をメールにてお送りください。一週間以内に、担当より折り返しご連絡申し上げます。
①お名前、ご住所、電話番号、メールアドレス、所属
②履歴書(写真不要)
③作文: 「志望動機」または「ビッグイシューで実現したいこと」(800字程度)
・あて先: hanbaitokyo@bigissue.jp
・件名: インターン応募
(8)締め切り: 2012年5月20日
ビッグイシュー日本東京事務所では、これまで様々なインターンを受け入れてきました。 販売者の方やスタッフとコミュニケーションをとりながら、明るく誠実にサポートしていただける方をお待ちしています。
ビッグイシュー日本版サイト
http://www.bigissue.jp/index.html
「英国メディア史」の書評・レビュー紹介 -その2-
以前に一度、拙著「英国メディア史」の書評を集めたエントリーを出しました。
http://ukmedia.exblog.jp/17371520/
少し時間がたったので、集まってきたものを紹介します。
①まず、アマゾンにいくつか、書評が出ています。2番目のほうは最近のエントリーのようです。
この方の書評もそうですが、様々な「ここは指摘しておきたい」「こうすればよかった」という点は、書き手としても、「そうだったなあ」と思えることが多く、非常に参考になります。(これを読まれた方も、よかったら、感想などお待ちしています。)
②日本生活情報紙協会(http://www.jafna.or.jp/)が制作しているフリーペーパーの機関紙「JAFNA通信」2月号での紹介記事の抜粋です。
「冒頭で小林さんは、「実は、英国でも米国そして日本同様、新聞の発行部数は低下の一途をたどっている。それでも、毎朝、駅構内の新聞スタンドに無料朝刊紙『メトロ』がうず高くつまれており、これを一部手にとって電車に乗る人が多い。帰りにはこれも無料の『ロンドン・イブニング・スタンダード』でその日のニュースが読める。電車に揺られながら新聞を読む、これが長年のロンドン近辺在住者・通勤者の習慣になっているのだ・・・」とロンドンの地下鉄の一コマを紹介している。 (中略)
15世紀までさかのぼるメディアの歴史と移り変わりが全貌で切るほか、『スウェーデンからやってきた無料紙『メトロ』」「ロンドン無料紙戦争」などの項目もあって、英国のフリーペーパー史と最新事情も分かる一冊となっている。
③月刊誌「GALAC」4月号に掲載された、隈部紀生(くまべ・のりお)さん(報道、ハイビジョン番組制作を担当し、BBCにもいたメディア・ウオッチャー)の書評です。(GALACは放送批評懇談会の出版です。http://www.houkon.jp)
『英国メディア史』小林恭子著
本誌に英国メディアのホットな話題を寄稿している、在英のジャーナリスト小林恭子が『英国メディア史』を出版した。書名は学術書を思わせるが、著者自身が意図したようにエピソードで綴る英国メディアの歴史物語である。
印刷機が英国に導入されてまもなく、「ニュース」の刷り物が登場するが、宗教と政治による厳しい検閲が続き、議会審議を報道する権利が確立したのは一七七一年だったことを教えてくれる。八五年に現代日刊紙のはしり『タイムズ』が創刊され、十九世紀はじめにはクリミア戦争で初の外国特派員が戦争の現場を生々しく伝え、その記事を見たナイチンゲールが看護を志願するというエピソードが綴られる。
二十世紀になるとBBCが登場して、スエズ動乱のときに政府の圧力の中で報道の独立を守った有名な歴史が語られる。同時に、新聞社がスキャンダル関係者に高額を払って手記などで暴露をする小切手ジャーナリズムの風潮が繰り返されたことも指摘する。
そのメディア界にマードックが登場して、最近、電話の盗聴問題で廃刊になった『ニューズ・オブ・ザ・ワールド』を買収し、競争に勝つために次々に新聞街の常識を覆し、衛星テレビ放送を始めて、メディアは多様化から乱戦になったが、インターネットの登場でまた新しい時代を迎えている。
断片を紹介すると無味乾燥になるが、著者の筆致は人物を中心に平易な文章で、英国在住の実感を交えていきいきしている。欲を言えばインターネットで誰でも情報を発信できる時代のメディアについて、利用者の視点から詳しく触れてほしかった。
④ブログ「After the Pleistocene」3月1日掲載分 http://addfield.jugem.cc/?eid=812 に公開されていた書評です。
「英国メディア史」 惜しげもなく裸体を露出したモデルの写真をトップに掲げるイギリスタブロイド紙が、イギリスのジャーナリズムを牛耳っているとは思いたくないが、ここに至るまで実に激しい競争が繰り広げられたということが、この本で改めて理解でき面白かった。タブロイド紙の興亡については、山本浩の『仁義なき英国タブロイド伝説』が詳しいが、英国メディアの流れ全体を概観するにはこちらの方が良い。
「新聞の運営は最高におもしろい。」と、大衆紙『デイリー・エクスプレス』等を買収したリチャード・デズモンドが語るように、オーストラリアのマードックやロシアのレベジェフなどの富豪が次々イギリスのメディアを支配した。デズモンドはポルノ雑誌で財をなし、レベジェフはロシアの元KGBだった。マードックは「『セックス、スキャンダル、スポーツ』にさらに『もっとセックス』の路線で、『サン』を英国で最も売れる新聞にしようと決めた。」
ダイアナ妃の悲劇もいわば過激なマスコミの競争の結果であったとも言えよう。これでもかと云えるほど王室のスキャンダルを暴き、政治家のゴシップ・下ネタを探す姿勢は『赤新聞』そのものだが、イギリス階級社会の歪んだ姿を反映するかもしれない。ジャーナリズムも『小切手ジャーナリズム』と言われるほど情報を金で買い、私立探偵を雇い盗聴まで仕掛けるとなると明らかに行き過ぎである。
杉山隆『メディアの興亡』によると、ある一定部数を一新聞が発行するなら、購入読者からの購読料は不要になる、すなわち掲載する広告料が十分入ってくるから、読売、朝日、日経新聞などは紙価を只にすることが可能である、と推定できる。いまロンドンでは巷に無料紙が氾濫しはじめた。スマホなどの通信機器がますます伸びるなら、いやでも応でも既存の新聞は変わっていかねばならないだろうと予感する。
イギリスでは国政選挙の際は、ほとんどの新聞は支持政党を明らかにする。この本に敢て注文をつけるなら、もう少しジャーナリズムの意向が政治の動向にどのような影響を与えたか、あるいは与えられなかったか、サッチャーやブレアの政権の末路で子細に語って欲しかった。イギリス世論とジャーナリズムの論調との比較を見たい。それにしても日本のジャーナリズムは静かなものではないか。福島原発の危機の時、誰がメルトダウンの発生を正確に予知したか?
⑤最後に、前にも若干紹介しましたが、前回はダウンロードできなかったので、今回は中身を載せておきます。
新聞通信調査会(http://www.chosakai.gr.jp/index2.html)が出している「メディア展望」の1月号に掲載された、東洋英和女学院大学名誉教授で元毎日新聞ロンドン支局長黒岩徹氏による書評です。
ジャーナリストから大学教師になって、ジャーナリズム論・史を教えたとき最初、手応えを感じなかった。取材するのは面白いが、ジャーナリズムについて書いたり語ったりするのは、なぜか力が入らなかった。戦争、革命、政変など歴史的事件の渦中に立って血のたぎる思いをしたが、平穏な日々に歴史をひも解いても興奮することはなかった。
だが、それでは理解が足りないと気付くまでに時間はかからなかった。歴史家の言葉や歴史書のあちこちに、史上の人物の悲喜劇、人間ドラマが顔を出していたのだ。それを見つけたとき興奮を覚えた。より深く事件の深層に迫るという知的興味を感じたのである。その象徴的例が、この『英国メディア史』である。
新聞・雑誌が「プレス」(押すの意)と呼ばれるようになったのは、15世紀に押して印刷する印刷機がロンドンのウェストミンスター寺院の一隅に設置されて以来のこと──と著者は英国の印刷術が新聞・放送に発展していく道程を細かく追っている。
『ロビンソン・クルーソー』の作家ダニエル・デフォーが小説を書く前にジャーナリストとして活躍。「自らが現場に出かけて当事者から話を聞く」という姿勢で、後に英ジャーナリトら話を聞く」という姿勢で、後に英ジャーナリズムの父と呼ばれるに至った、という興味ある歴史的事実を幾つも拾っている。
著者が鋭く指摘しているのは、英ジャーナリズムの歴史が常に権力との戦いだったことである。デフォーでさえ英国教会の一派やトーリー派(保守的な政党派)を批判したかどで逮捕されて罰金を科され、さらし台に立たされた。
1762年に週刊新聞「ノース・ブリテン」を発行し始めたジョン・ウィルクスは、6年後に国王を誹ひ謗ぼうする文書を作成した罪で監獄に収監された。その釈放を求めた市民と政府軍が衝突し、政府軍の発砲で10人近くの市民が命を落とした。以来、新聞が大衆を巻き込んでキャンペーン運動を展開する端緒となった。
こうした戦いの上に現在の英国ジャーナリズムがある。だから英国人記者の当局に対する追及の仕方は厳しい。権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する──との歴史学者ジョン・アクトンの言葉を信じているからだろう。
19世紀から20世紀初頭にかけて「エコノミスト」「デーリー・ミラー」「デーリー・メール」「デーリー・エクスプレス」が発刊され、大衆紙全盛の時代へと突入する。デーリー・メールは英仏海峡を最初に泳ぎ切った人や、海峡横断飛行を実現した操縦士に賞金を出すイベントを実施、部数拡張を図った。デーリー・ミラーも路上音楽家たちのコンテストを開いたりして新聞の売り上げを伸ばした。現在の日本の新聞でさえ、このイベント開催の伝統を継承している──こうした興味深いエピソードが豊富だ。
著者はBBCの変遷もじっくり追っている。その歴史で特徴的なのは新聞との大きな違い──中立か、特定の政党に偏るかである。
新聞は事実報道だけでなく主張を掲げ、支持政党を明確にしてきた。今でも英国の新聞は総選挙の際に、どの党を支持するかを明らかにする。
しかし、BBCはラジオ時代からのゼネラルマネジャー、ジョン・リースの強いリーダーシップもあって、「不偏不党」を貫いてきた。フォークランド諸島をめぐる1982年のアルゼンチンとの戦いの際、ロンドンで報道していた筆者はびっくりした。BBCが敵国アルゼンチンの軍人から意見を聞いて、その主張も放映したのだ。英政府・議会から非難されたが、これも自国の関わる戦争といえども中立的報道を心掛けるという姿勢からだった。
著者が最後に出会ったのは、記者による盗聴事件である。「チェック(小切手)ジャーナリズム」(=金で情報を買うやり方)が極端化し、携帯電話の盗聴によって情報を手にするジャーナリズムが現れた──と英ジャーナリズムの暗部をも冷静に描き出している。(終)
(ブログ「英国メディア・ウオッチ」より)
イルカ・クジラの「解放者」の拘束は望ましいか y-monkey
シー・シェパードは日本の調査捕鯨やイルカ猟を妨害しているものの、いくら日本側が身柄を拘束したところで、止む気配は一向にありません。ではクジラ・イルカ猟をやめれば良いのか?ここでは割愛しますが、複雑な理由がからみ合っている以上、すぐに止めることは現実的ではありません。
先日、シー・シェパードのイルカ漁妨害部門「Cove Guardian」の一員であるErwin Vermeulen氏が63日間の拘束の後、先日無罪判決が下され解放されました。日本国内の世論はナショナリズムの煽りを受けて拘束を支持したものの、同時に無罪判決に呆然としたことでしょう。しかしながら、Vermeulen氏は母国オランダに帰国した後、国営ラジオ・ニュースやメディアの取材を受けるなど、こちらでは予想も出来なかった反応が起こっています。
Erwinはシーシェパードやオランダから来た家族・50人の支援者に挨拶を受けた。国営ラジオ・テレビメディアの多数の代表者も彼の勝利の帰還を捉えるためにそこにいた。
Erwinは監禁中の皆の持続的な支援に感謝の意を述べた。彼は空港で集まった集団に対し、試練が無駄には終わらなかったことは喜ばしい、とも語った。
彼の経験は、太地町のイルカに対して続く残虐な行いに世界の注目を向けることを意図したものだ。実際、彼は最初それを目的にCove Guardian(入江の守護者)になったのだ。
Sea Shepherd:Cove Guardian Erwin Vermeulen Receives a Hero’s Welcome in Amsterdam
国営メディアもErwin氏の帰還に駆けつけている様子を見ると、オランダ国内の関心は日本よりはるかに高いことがはっきりとわかります。 日本では映画「The Cove」(2009年)以後、多くの世論形成がなされ、雑誌・テレビメディアでも盛んに話題にされました。しかし、ある程度時間が経つとぱったりと報道は止み、世間の関心は他に向いてしまいました。今ではニュース検索をかけても、日本国内のメディアはほとんど報道していません。
活動家が日本で逮捕され、本国で賞賛を受ける。この構図は中国漁船による日本の領海侵犯と似ています。この場合は、身柄を拘束されるものの本国の圧力により帰還、本国の祝福を受け、日本を仮想的とすることで団結を図る。そして、世界中に発信されることで宣伝としても利用され、身柄が拘束されたことにより余計彼らの被害者としての立場が強化され、「功績」として利用されてしまう結果になりました。
日本側は「妨害すれば逮捕もありうるぞ」という姿勢を見せることで抑止力にすることが狙いなのでしょうが、逆効果になる場合が多いのかもしれません。
では日本側はどのような姿勢をとるべきなのでしょうか。 確かに、IWCでは日本の行動に反対意見が続出し、国際社会では多くの非難を浴びていますが、一対一の会談ではそこそこの成果を上げています。
オーストラリア(豪州)のラドウィッグ農水林業大臣は12日、鹿野道彦農林水産相と農水省内で会談し、豪州の警察当局が南極海における日本の調査捕鯨の妨害活動の捜査に着手していることを明らかにした。
鹿野氏は反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」による妨害活動に、「抑止策を豪州政府内でも十分検討し、実行してほしい」と要望した。
一方、ラドウィッグ氏は豪州が調査捕鯨の廃止を求めていることから、「捕鯨に対して日本と豪州の立場は異なる」と説明。その上で、「法律順守は当然必要であり、すでに警察、海上保安当局が(昨年度の)妨害活動の捜査を開始している」と応じた。
SSをめぐっては、豪州当局はSSの船の寄港時に立ち入り検査を実施。調査捕鯨を行う「日本鯨類研究所」などがSSと代表のポール・ワトソン容疑者=傷害容疑などで国際指名手配中=を相手取り、妨害の差し止めと捕鯨船団への接近禁止を求める訴訟を米ワシントン州の連邦地裁に起こしている。
今回の会談では、ラドウィッグ氏から訴訟に関しての言及はなかった。 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111212/biz11121219340020-n1.html
「世界VS日本」では、弱腰にならざるを得ないものの、一対一では一定の効果があるといえます。
オーストラリアは同じ太平洋の貿易相手国同士ということもあり、経済上の問題が発生することを懸念して、オーストラリア政府側が譲歩したという見方をすることもできますが、他国との交渉においても成果を望むことは出来るでしょう。
確かに、当時のラッド首相が独断で提訴へ踏み切ったために、後に閣僚が懸念し、首相に圧力をかけたのかもしれません。しかし、会談をする事自体の意義は非常に深いことが伺えます。
ただ、今の時点で関係国へ地道に外交努力を重ね、(日本政府が直接にではなく)本国政府がシー・シェパードに働きかけを強めたとしても、彼らの立場を強めるだけで、日本が国際社会から孤立するのをますます促してしまいます。
よって、国際社会がシー・シェパードへの圧力を容認することが考えられる当事国へ働きかけを外交交渉によって実現することで、シー・シェパードの行動範囲は狭まり、テロ活動を行うこと事態が意味のない事になってくるでしょう。日本政府はまず長期的な目でクジラ・イルカ問題を見つめ、議論の場を設けることから始めるべきでしょう。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=UMR_Is4V7Mc
(サイト「ymonkey」より http://y-monkey.blogspot.co.uk/)筆者のツイッター:@Watalogy)


