波津先生の「番組案内」
明日とあさっての2日分にしておきます。NHKBSプレミアムに集中的にいい番組が目立ちます。
27日(火)
◎午後1時 NHKBSプレミアム 映画「グッドモーニング・ベトナム」
※ベトナム戦争の真実に迫った、優れたアメリカ映画の1つです。1987年制作。お勧め。
午後8時 NHKBSプレミアム 「旅のチカラ マイ・ラスト・ミュージックを探して ジャーナリスト鳥越俊太郎」
●午後9時 NHKBSプレミアム 「発見 驚異の大宇宙 ホーキング博士の宇宙 地球外生命は存在するか」
●午後10時 NHKBSプレミアム 映画「デルスウザーラ」(黒沢明監督)
●午後10時 NHK教育テレビ 「さかのぼり日本史 幕末・危機が生んだ挙国一致④ペリー来航」
◎深夜0時25分 NHKBSプレミアム 「BS歴史館 日本史の常識大逆転②ペリー来航 幕府は弱腰ではなかった」
※再放送です。これは面白かった。
28日(水)
午前8時 NHKBSプレミアム 「美の壺 石畳」(再放送)
●午後7時半 NHKBSプレミアム 「地球ドラマチック プードルは以下にして小型化されたか」
※今年、卒論「日本人とペット」で、人間の身勝手さを論じた小島さんほか、ペットに関心のある人、とくにどうぞ。
午後8時 NHKBSプレミアム 「たけしアートビート 伝説の宮大工 西岡常一の弟子 小川三夫」
●午後9時 NHKBSプレミアム 「世界ふれあい街歩き ドイツ リューネブルク」
◎深夜0時 衛星第1テレビ 「メンフィスへの道 キング牧師暗殺(前)」
波津先生のテレビ番組案内 18日夜はNHK教育テレビがお勧め
(大妻女子大でライフデザインを教える波津博明先生のメールの一部を紹介しています。)
何日かぶりで、番組案内を送ります。今週から、NHKの番組案内雑誌ステラが(大学の購買部より)到着し始めたので、やりやすくなりました。確かに、番組表は便利なんですけど、やはり内容のポイントは、雑誌情報がないと・・。
あす18日の一押しは、NHK教育テレビ「原発事故への道程㊤置き去りにされた慎重論」
18日(日)
午前8時 TBS サンデーモーニング
●午前10時 テレ朝 サンデーフロントライン
●午後1時50分 NHK総合テレビ 「NHKスペシャル イグネ 屋敷林が育む田園の四季」
◎午後6時 NHK衛星第1テレビ 「ドキュメンタリーWAVE フクシマの衝撃 フランス・揺れる国境の原発」
※電力供給の8割近くを原子力に依存する原発大国フランス。福島の事故のあと、フランスでは、何が起きているのか。
●午後7時54分 テレ東京 「緊急生放送 池上彰のエネルギーを考えるSP」
※池上さんは、基本的には、政府・東電と同じ認識で電力事情をとらえているようです。ただ、その範囲内ではかなり良心的で、原発のこれまでのあり方が基本的には正しい、といった見方はしていないようだし、原発依存から脱却しようという志向もはっきりしています。ただ、現在すでに、日本の場合、実は原発ゼロでも、電力は十分にあって、「今すでに原子力は不要」になっている、という認識はありません。そのために、「原発に代わるエネルギーは?」という問題の立て方をしてしまいます。確かに、フランスの場合などは、きょう原発をやめるとすれば大変です。本当に停電してしまうかもしれない。
しかし幸い、日本では、原発を動かすために、わざと使うのをやめた火力発電所がたくさんあるため、これをまた使えばいい。「原発に代わるエネルギー」をあわてて探す必要などない、という見方が有力です。となると、現在、「原発に代わるエネルギー」という言葉を使うこと自体が、政府・自民党・官僚・東電の作った土俵に上がることになるでしょう。かりに「大量の新エネルギーは見つからない」という結論になると、「やはり原発に戻ろう」という論理になるからです。
原発は今日にもやめられる。問題は、「温暖化ガスを出す火力に代わるエネルギーは?」ということでしょう。論理のすり替えを許してはならない。
その意味で、池上さんには、現状への「疑問」が足りないと思います。しかしとにかく、エネルギー問題を全体として理解する助けとしては、わかりやすくいろいろ解説してくれるでしょうから、参考にはなります。見て損はないでしょう。
●午後8時 NHK教育テレビ 「日曜美術館 地底の記憶 山本作兵衛の炭鉱画」
◎◎午後10時 NHK教育テレビ 「原発事故への道程㊤置き去りにされた慎重論」
※6月に、「ネットワークで作る放射能汚染地図」というクリ―ンヒットのドキュメンタリーを制作した、NHKの希望の星、「教育テレビ」が放つ本格特集です。これは、大いに期待できそうです。1時間半ありますが、これが前編で、後編がさらに控えているようです。前後、しっかり見たいものです。
19日(月)
午前11時20分 NHK総合テレビ 「子供だけの避難生活」
●午後1時 NHKBSプレミアム 映画「シマロン」
●午後10時 NHKBSプレミアム 映画「ジャッカル」
※きょう最長のコメントは、この映画で。時間のある方はどうぞ。
「テロリストとの戦い」という、ハリウッド映画によくある、非現実的なパターンの映画ではありますが、注目点が1つ。アメリカ映画では、アラブ人はほぼ常に「悪逆非道なテロリスト」として描かれます。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でさえ、悪役は「リビア人テロリスト」でした。リビアは、北アフリカのアラブ人国家ですね。アラブ風の服を着ていれば、殺人狂扱いです。
これが、米国内のアラブ嫌悪、イスラム嫌いを大衆レベルで拡大するのにかなりの影響を与えていると思います。
しかし、テロリストがアイルランド系の場合、一転して、同情のまなざしで見られます。この映画もそういう映画の1つです。
なぜ、アラブ人は嫌われるのか。
イスラエルとの関係です。
1948年、欧州から移民したユダヤ人たちは、パレスチナ地方のアラブ人を武力で追い出したり、脅したりして、追放しました。デイルヤシン村の虐殺など、ユダヤ過激派によるアラブ人殺しで、アラブ住民を震え上がらせ、村を棄てて逃げさせる、という手法が有名です。アラブ人がいったん、避難して姿を消した村には、ユダヤ人が入り込み、土地を奪っていきました。
こうして、パレスチナの地に成立したのが、イスラエルという「ユダヤ人国家」です。しかし、そこはもともと、パレスチナのアラブ人が住んでいた場所です。アラブ人は村に戻ろうとしました。しかし、イスラエルが作った「国境」を超えようとすると、逮捕されたり、殺されたり。イスラエルは、中東唯一の欧米系国家(だって、作ったのが、欧州から渡ってきたユダヤ人ですから)で、アメリカの外交政策を全面的に支持していたので、アメリカは、イスラエルのすることをほぼ全部許すようになります。アメリカは、イスラエルと手を組んで、アラブ人の故郷帰還の要求を徹底的に押さえつけてきました。国際会議の議題にすることさえ、拒否するほどの徹底ぶりです。そして、パレスチナの土地に帰ろうとして、イスラエル軍に立ち向かうアラブ人は「血に植えたテロリスト」と決めつけ、敵視します。これが、2001年の9・11テロの背景にあります。宗教的な面もたいへん強い要素ですが、これは、到底ここでh会説明しきれないので、割愛します。
アメリカには、ユダヤ系が600万人も住んでおり、彼らは、メディア、映画産業などで極度に大きな存在です。彼らは、イスラエル支持では一貫しており、政治や大衆文化に与える影響は巨大です。ユダヤ系を敵に回しては、政治家は選挙で勝てない、ともいわれます。
映画や大衆的な小説でも、アラブ人は、常に「テロリスト」として登場させられます。シュワルツェネッガーの「トゥルーライズ」などなど。そこでは、そのアラブ人がなぜそういう行動を取るのかは、説明されません。映画を見た人は、「アラブ人というのは、生まれつき人殺しなんだな」と思う。ですから、アメリカ政府がアラブ国家を相手に戦争するとき、世論は有利に動きます。イラク戦争でもそうです。こういうアラブ人敵視の背景には、人種偏見もあります。ユダヤ人には欧州的な白人が多いのに比べ、アラブ人は、人種的にはコーカサス人種(白人)に属しますが、暑い地方に住んでいることもあり、メラニン色素が多く、褐色の人が多いからです。
ここまでは、この「ジャッカル」という映画とは関係。
関係ないことをそんなに書くな? ごもっとも。
次は、アイルランド系テロリストの場合。なぜにくまれないのか。
この映画、FBI(アメリカ連邦捜査局)が、「悪いテロリスト」?(ブルース・ウィリス)をやっつけるために、獄中にいる「いいテロリスト」(リチャード・ギア)に、協力を依頼します。なんだそりゃ?! と思うでしょう。ギアが演じるテロリストは、英国の支配からアイルランド北部(北アイルランド)を解放するため、テロで闘ったIRA(「アイルランド共和軍」という武装組織です)の闘士デクラン。
えっ? イスラエルと闘うアラブ人闘士は、「悪役」で、イギリスと闘うアイルランド人闘士は「善玉」? 殺人で投獄されているのに、FBIが協力を呼び掛けるの?
そうなのです。アメリカ人にとって、同じように。警官や兵士を殺したり、時には市民を巻き込む爆弾テロなどを仕掛けても、アイルランド人は共感されるのです。なぜか。アメリカに、アイルランド移民の子孫がたくさんいるからです。彼らは、やり方に不満はもっても、アイルランド人が支配者のイギリス人と闘うとき、理屈抜きに共感と同情を感じてしまうのです。ケネディは100%アイルランド系、レーガンも、クリントンも、アイルランドの血が入っています。
アメリカ映画では、アイルランド人「テロリスト」がどう描かれるか、という視点で、様々な映画を見ていくと、とても面白いでしょう。卒論のテーマにもなりそうです。
映画と政治は、密接不可分です。波津ゼミの国際問題研究会メンバー及び、メディア研究会メンバーは、この映画見て下さい。
カンボジアの村で温鉄軍『中国にとって、農業・農村問題とは何か?―<三農問題>と中国の経済・社会構造』を読む
いまグローバル資本主義が百姓世界を飲み込み、中国でも「土地なし農民」が増えている。「土地がない」ばかりでなく、「仕事がなく」「社会保障がない」「三ない農民」が大量に輩出しているともいわれる。そのグローバル資本主義の先頭に立つのがいまの中国でもある。足もとで「土地なし農民」を作り出した中国資本主義は、アジア近隣諸国に押し出して、そこでも百姓世界を壊し、土地なし農民の大量生産を始めている。メコン川下りの旅で見たアジア百姓世界の解体とその背後にある中国資本主義の存在という現実に、温鉄軍「三農問題」はどう対峙するのか。この書評執筆のために旅先で読み込もうと、荷物にこの分厚い書物を詰め込み、カンボジアの田舎町のホテルの薄暗い明りの下で本書を広げながら考えたのは、そのことだった。
ー解体するアジア小農
東南アジア最大の大河メコンを下りながら流域の村々を訪ねる旅をはじめて4年になる。2008年は中国・雲南省から北タイへ入り、2009年はラオスを北の山間地帯から南部の都市パクセイまでを歩いた。そして2010年、パクセイから始めて陸路国境を越えてカンボジアに入り、メコンの流れに沿って村を訪ね歩きながらトンレサップ湖に向かった。中国、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを流れるメコン流域で、川の恵みをうけてくらす人びとは5000万人といわれる。その多くは農漁民だ。アジアの村を歩く二〇年の旅の集大成のつもりで始めたこのメコン下りで見たものは、農をなりわいとしてくらす百姓という社会階層が丸ごと消えていく、そんな光景だった。そして、その背後には中国の大きな影があった。
中国と国境を接するラオス北部では、村も農家の暮らしも生産も、もろに中国の影響下にあった。雲南省から来た業者に勧められて、村ごと裏山や畑をゴム園にした少数民族の村を訪ねた。中国から買い付け業者がやってきて生産を奨励、できたゴムを中国に運ぶ。ラオス政府と契約して50年間の契約で土地を確保し、ゴム園を始めた中国企業もある。ゴムを中国に売り、コメを中国から買う農民も出始めているということだった。ある村でスイカを路上で売っている行商の農民に出会った。中国の業者と契約栽培でスイカを始めたが、一定の品質以下のものは買い取ってくれないので、こうやって行商で売っているという話だった。
カンボジアはもっとすさまじかった。陸路をラオスからカンボジアに入ると、ここでは中国からの資本進出で設立された企業によるゴム、サトウキビなどの大農園が動き出していた。政府が許可した土地のリース契約の期間には99年というものもある。その土地で耕作していた農民はわずかな補償金をもらえたらいいほうで、なんの補償もなく土地を追われるケースも多い。中国の農地進出は近隣諸国だけでなく、アフリカ辺りでも顕著である。そしてそこには必ず土地から排除される地元農民がいる。
中国はいま巨大な矛盾が渦巻く小宇宙の観がある。まるで世界の矛盾の発信地のような中国だが、その中心にあるのが農業問題なのだということが、本書を読むとよくわかる。いまアジアの近隣諸国あるいは遠くアフリカの村で起こっていることは、中国農業問題の矛盾の輸出なのではないか、そんな問題意識で本書を読んでみた。
ー三農問題と百姓世界
本書の著者温さんは、現代中国が抱える矛盾の所在を都市と農村の二元構造社会」に求める。
「二元構造内部の土地と農村の対立矛盾とは、人口と資源とのバランスが緊張状態にあるところで、また短期的に工業化を完成させたプロセスが残したもので、中国社会における経済発展を制約する主要な体制矛盾である」
温さんは「改革」以前の中国の体制を「国家資本主義」ととらえる。国家資本主義のもとでの原初的蓄積過程とは、農村からの資源や収穫物の吸い上げと再配分に他ならなかった。その過程で、中国史上一貫して「コミュニティーの自治」として行われてきた「農村の社会的管理」が排除され、「政府のコントロール」が「農村に末端」に達する。こうして達成したのが、農村の膨大な労働力を無償で動員して社会資本を作り上げる「中国ならではの原初的蓄積」であった。その上に出てきた「改革・開放」は、土地を各戸に分配し、合作社が持っていた工業資産は株として分けた。これら一連の農村改革は「政府の農村と農業からの撤退」であったと温さんは社会科学院農村研究所のシンポジウムで報告し、論議を巻き起こした。2003年のことである。こうして農村から都市への巨大な人口移動が始まった。2004年になって政府は農業免税を打ち出し、さらに「新農村建設」を掲げて農村の社会資本充実に乗り出す。これは都市でだぶついた過剰資本のはけ口を農村に求めたことと、農村の市場化を狙ったものだったと私自身は理解している。
こうしてますます矛盾の塊となった中国農業・農村問題を、温さんは三農問題としてとらえる。三農問題とは,中国においては農民の抱えている問題は、農民,農村社会,農業の問題を統一的・総合的かつ重層的ににとらえなければ、問題の所在も本質も、解決策も見えてこないという提起である。1996年、温さんは「『三農問題』の世紀的省察」と題する論文を書き、いま(自分たちが直面しているのは)「農民の生計、農村の持続可能性、農業の安定」のいわゆ「三農問題」だと提起、「東アジア国家がもし、米国のように数百ヘクタールも所有する農場主(farmer)のあり方を私たちのように兼業化した小農経済を条件とする零細「農民」に当てはめ続けるなら、このような基本的概念の取り違えは必然的に一連の理論と政策との間のひどい齟齬を招くことになるだろう」と述べた。
この取り違えを1960年以降50年間続けてきたのが日本の農業政策である。小農・兼業・どんぶり勘定という百姓世界に、規模拡大・効率という論理を持ち込み、世界市場で勝てる“強い農業”という妄想に官も経済界もメディアもはまり込んで思考停止に陥っている状況をみると、温さんの「三農」という提起がいかに卓見であるかがわかる。
ー「三ない農民」の激増
いまグローバル資本主義がその百姓世界を飲み込み、中国でも「土地なし農民」が増えている。「土地がない」ばかりでなく、「仕事がなく」「社会保障がない」(『季刊ピープルズプラン研究』での武藤一羊氏のインタビューに答え)「三ない農民」が大量に輩出しているともいわれる。そのグローバル資本主義の先頭に立つのがいまの中国でもある。足もとで「土地なし農民」を作り出した中国資本主義は、アジア近隣諸国に押し出して、そこでも百姓世界を壊し、土地なし農民の大量生産を始めている。メコン川下りの旅で見たアジア百姓世界の解体とその背後にある中国資本主義の存在という現実に、温鉄軍「三農問題」はどう対峙するのか。この書評執筆のために旅先で読み込もうと、荷物にこの分厚い書物を詰め込み、カンボジアの田舎町のホテルの薄暗い明りの下で本書を広げながら考えたのは、そのことだった。
中国人民大学教授で、同大学農村農業発展学部各部長の要職にある温さんは、単なる学者ではなく、すぐれた実践家でもある。2003年からは、「協同」を基礎に新しい農村の建設を目指す「新郷村建設」の試みを展開した。2006年に、ピープルズ・プラン研究所企画でその現場を訪ねる機会があった。
温さんの運動の拠点であるジェームズ・イェン農村復興学院を河北省に訪ね、そこに集う若いボランティア青年たちと話し合うこともできた。「穏やかな改良」をめざすこの運動で、温さんが掲げているのは、「『グローバル資本化』のもたらす大転換の中で、大多数の中国人が生きる郷土中国の安定を維持する」ことだ。人々が安心して生きることができる農村建設、と言い換えてもよいと思う。
聞くところによると、当初は政府の「新農村建設」政策の流れに乗って順調に進んでいるかに見えた「新郷村建設」も、やがて政府から警戒されるようになった。農村に過剰資本を注ぎ込み、都市・工業の市場としようとする新農村建設と、人びとが生きる場としての農村づくりという穏やかではあっても社会改良をめざす温さんの実践とは、やはり相いれないものがあったのだろう。そして今、中国資本主義は国境を越えて近隣諸国の村を過剰資本の投資先として取り込んでいる。こうなった以上は、温さんの「新郷村づくり」も、国境を越えて、解体危機にあるアジアの百姓世界とつながってほしいと思う。(日刊ベリタより)
『山びこ学校』を読み返す 改めて「貧しさ」と「豊かさ」を考えてみた
暴走中の原発がある福島県浜通りの村々を語るとき、多くの人が「貧しさが原発を呼んだ」という。そうした言葉の背景には、成長や開発、モノとカネがあることが「豊か」なのだという価値観がある。その価値観を疑うことからしか、原発被災地を含む地域の再構成はありえないのではない、という問題意識にずっととらわれている。敗戦直後の東北のムラの「貧しさ」を子どもたちの目で記録した『山びこ学校』を改めて読みなおしてみた。
『山びこ学校』の初版は1956年に青銅社という出版社から出た。すぐにベストセラーになり、五年後百合出版から新版が出ている。その後角川文庫に収録され、いまは岩波文庫で読める。岩波文庫に入ったのは、敗戦50周年にあたる1995年である。現在までに18刷りを数えている。
わたしがこの本に出会ったのは四国山脈の真っ只中の小さな小学校の4年生のときであった。戦争未亡人となった母親が子ども三人を連れて親を頼ってふるさとに帰り、地元の小学校に職を得て養護教諭をしていた。その本棚にあったのを見つけ、引き出してページをめくった。愛媛県上浮穴郡参川村西小学校。村も学校も統廃合で今はない。村は県都松山市からバスで半日、県道が尽きるとことにあり、そこから山道を歩いて山越えすると高知県に入る。山また山の山村で、猫の額ほどの耕地しかなく、村人は炭焼きや国有林からの木出しなど主に山仕事で暮らしをたてていた。
母親の本棚から引き出した本は、山形県の農村の中学二年生の作文集で、山形弁にルビがふってあって、とても読みにくいものだった。それでも活字に飢えていた子どもだったわたしは、折りに触れてページをめくっていた。最初のページにあった版画と短い詩のような言葉が印象的でいつまでも頭に残った。葉を落とした雑木が何本か手前に書かれ、その後ろに民家があり、何かを背負った人が小さく見える。そのすべてが雪に埋もれている。そして、「雪がコンコン降る/人間は/その下で暮らしているのです」という文章が添えられていた。
山形県がどこにあるかも知らなかったし、雪の下での暮らしも想像できなかったが、拾い読みするこの本に書かれた人たちの暮らしの、なんと我が村と似ていることか、そんな驚きもあった。山形県山元村。いまは上山市になっている山間の村の中学校に師範学校をでたばかりの新任の先生がやって来た。この本の編者無着成恭である。
彼は、東北の山村の子どもたちをとりまく状況をありのままに書くことで、社会をきちんと、客観的につかみ取る力を子どもたちにつける綴方(つづりかた)教育を社会科の授業に取り入れる。戦前、多くの弾圧にさらされながら各地で教師たちによって取り組まれた生活綴方運動の流れを受け継ぐ新しい時代の若い教師の実践であった。
炭焼き、炭出し、縄ない、わらじづくり、葉煙草のし、畑仕事、薪とり、わらびとり、と子どもたちは実によく働く。いまなら確実に児童虐待といわれかねないほどだ。そうしないと一家は食べていけないからだ。中学生ともなると一人前の働き手として扱われ、仕事の合間に教科書でも開いていようものなら、たちまちかみなりが落ちてくる。そんななかで、子どもたちは生き生きと日々の労働を、父のとこ母のことを、遊びを、父が死んで一家離散するようすを、都会に働きに行った姉が病気になって死んだ事を、自分の言葉で書いている。
戦後まもなくの東北農村の貧しさを、子どもの目を通して人びとは知り、感動して、この本はベストセラーになった。この本に収録された作文を読んで思ったのは、とても冷静にきちんと物事の本質をとらえている子どもたちの目である。炭焼きを木切りから売るところまで書いた共同制作の作文がある。炭の原木は30年間隔で伐るのが、山にもよいということで、ずっとそれが守られてきていた。ところがそれができなくなった。親たちの会話は紹介される。
「もう切る山がないなあ。三十年輪伐が戦争でめちゃくちゃになってしまった」
「そうだそうだ。なんぼ若くとも、十五ねんぐらいの山でも切らんなねな」
「切れば下流では洪水がおきるというし。切らねば俺たちが死んでしまうしな」
切った木をだし、割り、小屋をかけ、炭を焼き、釜から出し、俵に詰め、どんな子どもでも二俵は背負い、山を降りた。そして朝早く起き、背中に背負ったりそりに乗せて、町まで炭を売りに行く仕事にも、子どもたちは参加した。
「協同組合に入れると安いからなあ。自分でひっぱっていくと、二十円ずつもうかるからなあ。それに現金がすづてにはいるのだもの」
「農業協同組合がもっとしっかりしていればなあ。統制がとけるとすぐ組合よりも商人が五円位高く買ってくれるので、みんなが自分の組合をさておいて、商人の方だけに持って行くようになったのだ」
山びこの子どもたちは生活を記録するなかで、社会の現実や矛盾をしっかりとつかむ。無着先生の学級の級長だった佐藤藤三郎さんとは、農業記者になった1963年にお会いし、それ以来親しくさせてもらっている。彼は、定時制の地元農業高校を出て、百姓として生き抜き、たくさんの本を書いて、村から百姓の感じ、思想を発信してきた。よく光る眼も、社会を見据える論理の確かさも健在である。(日刊ベリタより)
波津先生の「しばしのお別れに、映像をいくつか紹介します」
(大妻女子大でライフデザインを教える波津博明先生の8月6日付メールを紹介しています。)
10時間後には、東京を発っているので、これがしばらくのお別れ前の最後のメールになるかもしれません。
なお、月曜からの番組案内は、無理なので、25日までは、ご自分で番組表などをチェックして、観賞ないし予約して下さい。そのかわり、というか、注目すべき映像を何本かご紹介して、お別れとします。
①フジテレビの報道系番組が伝えた、現地作業員の過酷な労働条件
これは4月半ばくらいと思います。東電、政府が現地の作業員を理不尽なほど過酷な条件でこき使っている現実は、週刊現代や、東京新聞など一部の新聞・テレビでも伝えられましたが、映像がない。その中で、出色はフジテレビ。福島原発で産業医を務めていた、愛媛大学の谷川武教授が撮影した動画を流したのです。動画は極めて珍しい。そもそも、日本と世界を放射能地獄から救うために必死で闘う作業員の様子そのものは、なぜか一貫して、東電も政府も隠し続けました。何のために?放送時点からさらに3ヶ月経ちました。今や炎熱地獄です。今の作業環境はどうなのか。今では、メディアは、さらに健忘症を強めたのか。
http://www.youtube.com/watch?v=srGWn1i3ga0&NR=1
②原発労働者といえば、写真家の樋口健二さんは、克明にその実態を記録し、被曝で死んでいく労働者を追っていました。岩波ジュニア新書から出した「これが原発だ!」は、今年の2年生の授業で選択課題図書の1つに指定しました。その樋口さんが語り手として、90年代に、英国の「チャンネル4」が放送した「被曝する労働者たち」。そのyoutube映像を以前に、紹介しました。
http://video.google.com/videoplay?docid=4411946789896689299#
③しかし、外国のメディアは今も、下請労働者の悲惨な現実に敏感です。以下は、今回の事故後のドイツWDR放送のニュース番組。原発労働者について「東電は、ホームレスなどを、使い捨て労働者として利用している」と批判しています。もっとも、現地には、東電社員や自衛隊なども多数入っていましたから、全部が「ホームレス」と言うのは言い過ぎでしょうが、実際、身寄りのない、貧しい人々を金でつって危険な作業に従事させるというのは、電力会社が40年以上やり続けてきたことです。
http://www.youtube.com/watch?v=GRPzQHfOVPs&feature=related
④原発事故について、放射線の専門家である児玉龍彦東大教授が、国会で証人として発言した際に用意したパワポが、ネットで見られます。急いでいたらしく、誤字脱字や説明不足が目立ちますが、次々めくると、いろいろなことがわかります。
http://www.slideshare.net/ecru0606/ss-8725343
⑤上の児玉教授が、ジャーナリストの津田大介と行った対談のユーストリーム画像です。これは先に紹介しましたので、2度目。インタビューの中で、児玉先生は、②のパワポも一部使っています。1時間以上の長さで、中には、専門用語もけっこうでききますが、ずっと見ていると、おおよそのことはわかります。実に興味ふかいインタビューです。
http://www.ustream.tv/recorded/16442790
⑥児玉先生のまじめな話に続いて、推進派の恐るべきふまじめさがわかる映像。原子力安全委員会の斑目委員長の本音発言の映像です。「なぜ原発がこんなに広まったのか」・・・斑目(まだらめ)さんによると、「原発はもうかるんだよ」。
すごいのは、「安心なんかできるわけないじゃないですか。あんな不気味なもの」「最後は結局お金でしょ」という言葉。このインタビューは、6年前。常に、「原発は絶対安全」と言い続けてきた斑目さん、本当は、「あんな不気味なもの」と思ってたんですね。
ところで、菅政権は、原子力安全保安院は、経産省の原発利権共同体の一部になっているので、保安院を安全委員会と一緒にして独立させる、と言ってました。最近は環境省の下におくと言いだしましたが、保安院同様、原発推進一点張りでやってきた安全委員会も、原発利益共同体の強固な一部でしょう。原発批判派なんて、委員には1人もいないんだから。メディアは、なぜ安全委は保安院と同じ穴のむじなだって、はっきりいわないのか。それはともかく、その安全委の斑目委員長の発言をどうぞ。事故が起きた今、彼は6年前の自分の発言をどう総括するのか・・「まだらめ」さん、事故後は、あまりのいい加減さに、「でたらめ」さん、とあだ名がつきましたが。
http://www.youtube.com/watch?v=zKwOxJuMhPs
波津先生の「是非お勧めの本2冊」

原発に加えて、次なる地震。今や、以下の2冊は必読だと思います。ぜひ読んで下さい。今後ずっと、役に立つと思います。広瀬さんの本は集英社新書、山村さんのは宝島社です。広瀬さんは、東京女子大教授で、専門はリスク心理学。山村さんは、リスク・マネジメントの専門家です。どちらも読みやすいですが、山村さんの本は、特に読みやすく、日本人独特のリスク感覚の欠如を鋭く指摘しつつ、危機対応を説くので、一気に引きこまれます。
卒業生の皆さんは、3年生の頃、僕のリスク・マネジメントの授業を受けたわけですが、いまや、事態は一変しました。去年までは、地震や津波もやりましたが、主に、雇用とか格差、医療危機など、国家が作りだすリスクが、後半おもなテーマになり、課題図書もそれに沿ったものでした。 今は、とにかく地震と原発です。 以下の2冊のうち、山村さんの本は、前期、3年生の生活のリスク・マネジメントの授業で、課題にしたものです。
4年生の場合、後期の「地球市民論」で課題にしようかとも考えていますが、とにかく。さきのことはともかく、夏休み、ぜひとも読んで下さい。卒論も大事ですが、命はもっと大事です。
卒業生には、「課題」にできないのが残念ですが、だまされたと思って、読んで下さい。2冊はとても無理、という忙しい人は、山村さんの本だけでもいいです。
被災した放送人の体験を記録~放送レポート別冊「大震災・原発事故とメディア」
東日本大震災は発生から4カ月半になります。死亡が確認された方は1万5616人、行方不明の方は4949人(7月23日現在、警察庁集計)に上り、被害の全容は今もなお確定していません。東京電力福島第一原発事故の収束は遠く、それどころか最近では原発から遠く離れた宮城県の稲わらで放射性セシウムの濃度が高まり、えさとして肉牛の体内に取り込まれるなど、予想しえなかった被害が拡大しています。わたしたちの社会は3月11日を境に、まったく違う別の世界に移ってしまったかのような観があります。
そんな中で、わたしも会員になっているメディア総合研究所が、「放送レポート」(年6回発行)の別冊として「大震災・原発事故とメディア」を発行しました。
※メディア総合研究所 http://www.mediasoken.org/
この大震災では、被災地の新聞社、放送局などのマスメディア企業も被災し、そこで働く人たちも被災者となりました。放送レポート編集委員会による本書の「序にかえて」は、本書の刊行の目的について以下のように記しています。
「放送局も、その歴史が始まって以来の大惨事に直面しました。これだけの広範囲にわたって、同時に複数の放送局が被災したのは初めてのことです。大規模停電に見舞われ、放送の継続そのものが危ぶまれる中で、各民間放送局は収入源であるCMを飛ばして、局の従業員も関連で働く人々も、不眠不休で特別番組を制作・放送し、地震・津波の被害や安否情報、ライフライン情報などを発信し続けました。そのような努力の跡を少しでも記録に残したいと考え、1972年の本誌創刊以来、初めて『別冊』を出版することを急きょ決定し、被災した各放送局の現場で働く皆さんなどに寄稿をお願いしました」。
本書では、岩手、宮城、福島各県の民放産業で働く方々を中心に、民放労連などを通じて集まった12人の放送人の被災と情報発信の体験記が収録されています。さほど大きなボリュームではありませんが、企業横断的な生の声の集録と言う点で、その価値は小さくありません。強く印象に残ったレポートを一人だけ紹介します。ミヤギテレビ労組の伊藤拓さんは「『頑張ろう!』の意味」とのタイトルで、秒単位のテレビの世界で被災者に贈るメッセージのベストのフレーズが短い「頑張ろう」であるのは間違いないとしつつ、もう十分すぎるほどに頑張り、疲れ果てている被災者に「頑張ろう!」という言葉を贈っていいものか、と自問しています。取材を重ねる中から自分なりに出した答えとして、「頑張ろう!」という言葉に具体性を持たせること、自分が被災者に接するときには「頑張ろう!」以外の表現を使うことを挙げています。
この大震災と原発事故の未曽有の惨状を前にして、広い意味でマスメディアで働く同僚の一人として、12人の方々の体験記はいずれも胸に染むものでした。わたし自身は大震災直前の3月1日付で、勤務先の人事異動に伴い東京から大阪に移り住み、3月11日以降の日々を大阪で過ごしてきました。被災地からも、政治の中心の東京からも離れた、いわば後衛に立っている一人として、3月11日以降のことをどう考えていけばいいのか、いまだにわたし自身の言葉で語ることができません。しかし、どんな分野であれ、後衛に位置する人間にはそれなりの役割があるでしょうし、できることは少なくないだろうと考えています。12人の方々の体験記も一助に、その答えを見出す試みを続けていこうと思います。
本書にはこのほか、4月30日にメディア総研が「開かれたNHKをめざす全国連絡会」と共催したシンポジウム「原発事故とメディア」(広川隆一さん講演「チェルノブイリからフクシマへ」など)や、民放労連全国ラジオ会議で開かれたパネルディスカッション「ラジオに何ができたのか」を採録。放送レポート146号から「原子力PA方策の考え方」を再録しています。
発売元は大月書店、定価1365円。
※大月書店のサイト http://www.otsukishoten.co.jp/book/b90600.html
(ブログ「ニュースワーカー2」より)
波津先生の「映画関係の本の推薦」
(大妻女子大でライフデザインを教える波津博明先生のメールを紹介しています。)
ゼミ生及びメディア研究会メンバーの皆さん
さらに、すべてのメーリスの皆さん
昨日は、大妻図書館講演に続くゼミ室での映画会として、「ブレードランナー」を上映しました。考えてみると、今月発足した、波津ゼミの3研究会の1つ、「メディア研究会」の例会を結果的に兼ねていたような感じです。そのうち、メディア研究会全員参加で、正式の第一回例会をしたいですね。きょうは、映画をより深く、より楽しく、そしてより系統的に見るための材料として、本を2冊、紹介します。
①家長知史「世界史映画教室」 岩波ジュニア新書 700円
②越智道雄「アメリカ映画の暗号を読み解く ~迷走する大国編~」 アルク 780円
①の家長さんは、京都府立高校の歴史の先生です。ほかにも、「映画で学ぶ世界史」という本があり、これもたいへんいいものですが、こちらは少し高い。今回紹介するのは、新書なので、比較的安く買えるし、小型なので、持ち歩きに便利です。両方とも、家長先生の授業をもとに書かれた本ということですが、家長先生の世界史の授業って、とてもおもしろそうです。こんなふうに背景を説明しながら、映画を見ていくのか!と驚きました。しかし、授業で1本全部は見られないので、ハイライトの部分だけやるのでしょうか。受けてみたい。
僕の高校時代の世界史の先生も、極めて優れた先生でしたが、映画を材料に、とは考え付かなかったと思います。もちろん当時は、ビデオがないので、どのみち、教室では映画は見られないのですが。
さて、この本は、世界中の名作映画を、その歴史的背景から説明するものです。歴史を考えるために映画を材料とする、と同時に、映画をより深く理解するため、背景の歴史を教えてもらえる。その意味では、メディア研究会だけでなく、国際問題研究会のメンバーにも、ぜひお勧めです。
例を1つ。原爆、放射能については、最近亡くなった田中好子主演の「黒い雨」(今村昌平監督)が紹介されています。内部被曝を考える上で、たいへんいい映画です。原作は井伏鱒二。新潮文庫ですぐ手に入ります。ただ、田中さんが亡くなったとき、福島の事故の直後だというのに、テレビも新聞も(僕が録画、講読しているものに関する限り)、彼女の代表作が「黒い雨」であり、それが放射能の内部被曝をテーマにした恐るべき映画であること、つまり、あの時期、田中好子という女優に関して、最も重要なはずの要素を徹底的に無視し、一言も語らなかった。メディアに見られる「権力構造」の核心は、「何を語るかではなく、何が語られないか」である、とフランスの思想家ミシェル・フーコーは言いました。
大手メディアは、なぜ、田中好子の死に際して、彼女の代表的主演映画「黒い雨」について、語らなかったのか。今度の事故で、人々が最も恐れるべき「内部被曝」について、国民の注意を呼び起こしたくない、という大手メディアの意図が、その事態の中に、読みとれます。では、何のために?
このように、映画作品は、作られた時点での理解、解釈も重要ですが、それがその後、政治的にどう扱われたか、ということも、極めて重要です。
②いま、娘が来て遊ぼうというので、もうあまり書けません。越智(おち)先生は、明治大学のアメリカ政治の先生です。僕も、読売時代、越智先生にインタビューしたことがありますが、アメリカで何かが起きたとき、最も鋭いコメントを発してくれる学者の1人が越智先生です。それは、越智先生が、政治の表面だけでなく、「普通のアメリカ人」のメンタリティや世界観をよく理解しているからです。そして、そういうものが最もよく表れるのが、ヒットした映画です。なぜなら、「普通のアメリカ人」に受け入れられた映画こそが、ヒットするからです。ヒットした映画を分析していくと、アメリカの社会、人々の心理、政治的動きの背景などが、実によく理解できるのです。もちろん、ヒットしなかった映画にも、また別の貴重な材料が見出されます。
波津先生のお勧め番組紹介
番組案内雑誌が見えなくなり、昨日はご案内できませんでした。すみません。
きょうの夜から火曜日までのご案内です。波津ゼミでは、先週、国際問題、メディア(映画・音楽)、都市問題の3つの研究会が発足しました。これからは番組に、3つの研究会メンバーのため、(国)(メディア)(都市)と3つの推薦印をつけます。研究会メンバーは是非見るようにして下さい。
また、ついに今回から、BSの民放を案内対象にします。24日でアナログ放送は終わり、一切がデジタルになります。強制的にテレビ受像機とビデオ録画機を買い替えさせて、家電業界を潤わせるために、自民党政府が進めたデジタル一本化政策の結果であり、僕も、非常に迷惑をしてますが、これで、テレビを見続けるためには、デジタルを買わざるを得ない。僕も、今あるアナログのDVDレコーダー4台が、ほぼ意味を失います。録画した番組の編集も、新しいブルーレイレコーダーだと、複雑すぎる上、機能も低下、さらに授業準備に時間がかかります。これには参ります。機能が低下するのです・・・!技術は進歩しているのではないのですか・・・とほほ
しかし、地上波デジタル対応の機器は、BSチューナーも普通入っているので、民放のBSを見る人も激増するでしょう。地デジ一本化の数少ないプラスが、新たにBS民放を見る人の増加でしょう。ここでは、日テレもフジも、地上波では考えられないくらい、質のいい番組を作っているからです。ドキュメンタリー的な意味での良質な番組はほとんどありませんが、世界とくに欧州の美しい都市景観を楽しめる番組は連日ぎっしりで、朝から晩まで画面の前にいても退屈しないほどです。
今回から、少しずつ紹介します。
17日(日)
午後6時 NHK教育テレビ 「東工大 宇佐美誠④平等か優先性か」
●午後9時 NHK総合テレビ 「NHKスペシャル 深海大探査 地球最古の生命と巨大資源」
●(都市)午後9時 BS日テレ 「トラベリックスⅢ 英国③ ロンドン南部」
※出ました、BS日テレ! 今回はこのくらいに・・
午後10時 NHK教育テレビ 「ワタシの見たニッポン 外国人による弁論大会」
●(メディア)午後10時 NHKBSプレミアム 映画「雨月物語」
18日(月)
●午前11時 NHK総合テレビ 「新日本紀行 震災・2つのムラの記録」
(国)午後1時 衛星第1テレビ 「世界のドキュメンタリー 甘いチョコレートの苦い真実」
午後7時半 NHK総合テレビ 「大科学実験スペシャル やってみなくちゃわからない」
●(都市)午後8時 BSTBS 「世界夢列車に乗って ケルト紀行 アイルランド横断鉄道の旅」
※またもBS民放。
●午後10時 BSフジ ドラマ「北の国から」
※何と、「北の国から」が見られる!!!BSフジです。
●(メディア)午後10時 NHK総合テレビ 「上を向いて歩こう 日本人の心の歌 その真実」
●午後10時25分 NHK教育テレビ 「極める!佐藤江梨子の読書学③魅惑の古本」
◎(国)深夜0時 衛星第1テレビ 「世界のドキュメンタリー 無実の自白 冤罪はなぜ起きたか(前)」
19日(火)
●午前10時 NHKBSプレミアム 「BSアーカイブ 人類再び月へ 進む月面基地計画」
午後9時 NHKBSプレミアム 「コズミックフロント 発見 驚異の大宇宙 インパクト(衝突!)」
午後10時 NHK総合テレビ ドラマ「下流の宴」
●(国)午後10時 NHK教育テレビ 「明治官僚国家への道③巨大行政組織の誕生」
午後10時25分 NHK教育テレビ「直伝・和の極意 江戸のテクノロジー⑦」
●(国)深夜0時 衛星第1テレビ 「世界のドキュメンタリー 無実の自白 冤罪はなぜ起きたか(後)」
◎(メディア)深夜0時 NHKBSプレミアム 「ハリウッド100年② イージーライダー 自由と反戦と暴力と」
波津先生の「今週のお勧め番組」
(大妻女子大学でライブデザインを教える波津博明先生のお勧め番組案内です。)
12日(火)
午後10時 NHK総合テレビ ドラマ「下流の宴7 逆転の予感」
午後10時 NHK教育テレビ 「さかのぼり日本史 明治・官僚国家への道②近代日本の進路を決めた政変」
午後10時25分 NHK教育テレビ 「和の極意 江戸のテクノロジー⑥関孝和の和算」
13日(水)
●午後9時 NHKBSプレミアム 「世界ふれあい街歩き ルッカ」
ルッカに寄った旅から、夏のバカンスと「節電」を考える
※ローマ在勤中の1993年、家族でローマからトリノ郊外セストリエレ(この前の冬季五輪会場)に家族でスキー旅行に行くとき、途中寄って泊まった町です。美しい街でした。
セストリエレは忘れられません。スキーリゾートのホテルは、欧州では、だいたい1週間単位で予約します。1日2日で帰るなんていう、非効率な・・・というより意味不明な行動を取る欧州人はいないためですが、すべての部屋が1週間単位だと、ホテル側もやりやすい。
僕らの部屋は、家族5人が泊まれる大きな部屋でした。5人で2食付き、で、しかし・・・会社の関係もあって、確かフルには取れず、5泊くらいだったかな。全部で40万円だったかな。1人1万6000円か。あの頃、仕事で必要なお金が、なかなか会社から振り込まれず、厖大な私費投入でしのいでいたので、妻の実家に借金をして行きました。そこまでして行くのか、と妻におこられたのですが、今では、妻も「無理をしてよかった」と言ってます。ヘンな話になりました。
ホテルからスキー場まで、スキーを担いで歩けば10分くらい。自家用車で行ったので、スキーも積んで、ゲレンデ付近の駐車場に停めたけど、もちろん無料です。リフトは、5日間使い放題で、1人8000円ほど。子どもは半額。朝8時から夕方5時まで、毎日滑りました。ゲレンデのリフトの距離を合計すると、確か300キロという数字が出ていました。あまりに巨大なスキー場なので、腰を抜かしました。山をいくつも超えて、うまくやると、向こうのフランス領まで行けてしまうのです。僕らも、少なくとも、山を2つは超えました。何10キロ滑ったか。どこまで行っても「セストリエレ・スキー場」です。
人の数は、面積に比して圧倒的に少なく、広大なゲレンデに、我々家族のほかは数人、なんていう瞬間もありました。途中の山小屋のベンチで、青空を見上げながら飲んだビールの味は忘れらません。
ここで、僕は、札幌で形成された「スキー場」の概念がいったん崩壊しました。規模の違いはあまりに大きく、比較ができない。あれは、日本に帰ってから、人に説明しようとしても、無理でした。そして、欧州人の考える「リゾート」とか「バカンス」「年休」といった概念が、日本人とは、全くくかけ離れたものであることを、身をもって知りました。バカンスと言えば、欧州人のバカンス本番は夏。
さて、究極の節電は、市民がどーんと長期休暇を取り、会社もまるごと休んでしまうことです。欧州大陸では、夏、どこでもやることです。英国はそこまで一斉にはしないでしょうが、フランスやイタリアでは、市民の多くが7月―8月、海辺や山に行ったきり、ローマやミラノには戻りません。商店も7割は閉店です。
欧州で、「夏に電力ピークが来る」という日本人の概念を伝えても、理解されないでしょう。「そんなに暑ければ、休めばいいでしょう」のひと言で終わりでしょう。欧州の電力ピークは冬にきます。バカンスの夏は、一番電力消費の少ない季節。
ホント、僕らはなぜ、ひーひーいいながら、猛暑の中、会社に行ったり、学校に通ったりするのでしょう。休みにすれば、電車もがらがら、オフィスも工場も、教室も、無人でエアコンなど全く不要なのに。なぜか、ルッカの話が、節電になってしまった。
午後10時 NHK総合テレビ 「歴史秘話ヒストリア 一番いい国にしよう 聖徳太子」
午後10時 NHK教育テレビ 「100分de名著 福澤諭吉 学問のすすめ②」
●午後10時 NHKBSプレミアム 映画「理由」
※10時からは、お勧めが3本同時に。どれでもけっこうですが、どちらかといえば、「理由」かな。
◎深夜0時15分 NHK総合テレビ 「NHKスペシャル 世界最大の液状化」
※先日放送された番組の再放送。あれは衝撃的でした。世界最大だったのか。とくに、津波被災地で、液状化のため、コンクリートのビルが、90度ひっくり返って、横倒しになっている映像には驚きました。一方、先日民放では、専門業者が、液状化被害を受けた戸建て住宅を自己負担300万円で再建してしまうというケースを取り上げていました。すごい技術です。450万かかるが、半壊なら自治体が150万円出すので、300万で済むという話でした。しかし、300万にしても・・・事前に、なぜ政府や自治体は、液状化の可能性のある場所に開発に規制をかけるとか、液状化した場合は全額補償するとか、責任ある姿勢をとらないのか。いつもいつもこれです。
14日(木)
午後8時 NHK総合テレビ 「セカイでニホンGO リスクを恐れるニホン人たちへ」
10時55分 NHK総合テレビ 「爆笑問題 ニッポンの教養 おもちゃ天国 東京おもちゃ博物館」
15日(金)
●午後3時 NHKBSプレミアム 「美の壺 窓」
午後8時 NHKBSプレミアム 「新日本風土記 宮島」
◎午後9時 NHKBSプレミアム 「歴史館 ハリウッドの100年②イージーライダー 自由と反戦と暴力と」
※映画に関心のある人すべてに、大推薦! とくに、ゼミの「メディア研究会」メンバーは必見。僕も高校時代、「イージーライダー」のポスターを自分の部屋に貼っていました。
午後10時 NHK総合テレビ 「世界ふれあい街歩き クエンカ(エクアドル)」
●深夜0時 NHKBSプレミアム 「人類の夢を紡いだ宇宙船 シャトルの30年」



