ウイキリークス漏洩兵不当拘束か Newslog USA

 今年の報道トップともいえるウイキリークス。4月に公表された米軍機密文書を漏洩した容疑で、マニング陸軍上等兵は7月から米国内で監禁されている。支援者は、その拘束状態は拷問に近いと主張。クレームを受け、最近国連人権理事会は調査に乗り出した。

 ブラッドリー・マニング陸軍上等兵は、イラクで09年11月から10年4月まで機密文書をダウンロードし、内部告発サイト「ウイキリークス」に漏洩した容疑でクエートで拘束された後、7月からバージニア州クアンティコ海兵隊監禁施設で拘置されている。軍法会議は、来年春の予定である。

 その漏洩情報の中でもウイキリークスを有名にしたのは、ビデオ「巻き添え殺人」。バグダッド郊外で2007年に行われた、ロイターカメラマンを含む市民への無差別殺人の模様を写したビデオである。ロイターからの突き上げで軍は事実を調査、その結果兵士の行動は米軍「交戦規則」に違反していないと結論した。

 アパッチ・ヘリコプターから写された市民巻き添え殺人を、上部に隠していた兵士たちは、まだ何のとがめも受けていない。しかし、マニング上等兵は、独房での過酷な生活を半年も強いられている。最近の独房生活を、軍弁護士デイビッド・クームス中佐は、自身のブログでこのように綴っている。

独房は約1.8×3.6メートル。ベッド、水飲み器とトイレがある。5時起床、起床から夜8時まで睡眠をとるのは許されない。当初自殺監視下に置かれていたが、現在は傷害監視下にある。看守は5分おきに確認に来る。日に23時間は独房で、独房内での運動は禁止されている。日に1時間、独房外の部屋に連れていかれ、歩行だけが許される。夜7時から9時20分までは通信時間で、家族、友人、弁護士に手紙を書くのは許される。通信時間中、15分から20分のシャワーが許される。週末や休日には、12時から3時までの面会が許される。就寝前には下着以外は看守にあずけ、下着のみで眠る。枕やシーツは許されないが、じゅうたんともいえる重い毛布をあてがわれる。ごつごつの毛布は裸に近い体にすれ、痛みで目覚めることも多いという。

 クームス中佐の他に面会を許される数人の一人、友人のデイビット・ハウス氏は、ブログ「Firedoglake」で「約半年にわたる独房監禁で、マニング上等兵の肉体的、精神的状態は悪化してきているのは明らか」と書いている。人間の神経組織は、感覚的・社会的な刺激が、普通の脳の活動を維持するのに必要である。長期にわたる隔離状態は、脳障害に損傷をもたらすという。

 憲法・人権問題の弁護士でブロッガーでもあるグレン・グリーンワールド氏は、ネット紙サロンで、マニング上等兵の状況は「拷問」かどうかと議論をもたらした。ネットを中心に、マニング上等兵を支援、救済する声も高まってきている。兵士への支援団体「抵抗する勇気」や、「マニング支援ネットワーク」には、すでに11万ドル(約910万円)を越える寄付がなされている。10万ドルが、裁判費用に必要と言われている。

 また、自らの危険をかえりみず、「人々に真実をみてほしい」と大胆な行動を起こしたマニング上等兵を「英雄」とあがめる声も多い。1971年ベトナム戦争に関する極秘報告書、「ペンタゴン・ペイパーズ」を漏洩した罪で起訴されたダニエル・エルズバーグ氏も、その一人である。

 これらの支援者は、ジュネーブに本部をかまえる国連人権理事会へ、マニング上等兵監禁状態は拷問に値するのではというクレームを送っている。それに基づいて理事会の専門家マンフレッド・ノーワーク氏は、調査に乗り出したという。
 
 マニング氏が看守に協力的であると、米メデイアは伝えている。それならば、暴力行為で告発されていないことを考えると、なぜそのような極端な監禁状態が必要なのかという疑問がある。

 ケーブル・ニュースMSNBCの取材に、ウイキリークスの創始者であるアサンジ氏は、「マニング上等兵は、政治犯としてとらえられているようだ。米国は彼を自分と共謀した証人として使いたいようだが、実にナンセンス。彼の名前は、メデイアに登場するまで知らなかった」と話している。(ブログ「Newslog USA」より)

結婚は時代遅れ 静かな家族革命 Newslog USA

 ホリデイー・シーズンと呼ばれるこの時期、人々は家族と過ごす機会が多くなる。しかし、家族形態は変わりつつあり、従来の既婚カップルに子供という形はもはや絶対的ではない。結婚は時代遅れで、一つの選択肢でしかないと考えている人も多い。

 11月の感謝祭から始まって、クリスマス・新年と、いつもは離れている家族が集う。家族と食事をする慣習は、変わらず続いているが、何をもって家族とするのかは変わってきているようだ。

 従来の家族構成は、既婚カップルと子供。しかし、昨今結婚離れが広がっている。9月発表の国勢調査では既婚率は52%。2000年では57%、1960年では72%であった。

 初婚の平均年齢は上がり、男性は28.2歳、女性は26.1歳となっている。この数字は、2000年の26.8歳と25.1歳から上昇している。25歳から34歳までで、未婚は既婚を上回っている。

 一方、同棲率は44%、1990年から2倍に増えている。一緒に暮らすが結婚という形はとらない男女が増えている。

 最近、シンクタンクのピュー調査センターと米誌タイムが共同で「結婚と家族」調査を行った。それによると、「結婚を時代遅れ」と答えたのは39%。1978年の調査では、同回答をしたのは28%であった。

 約30年間で、「結婚を時代遅れ」とする人々が増えた社会的要因は何だろうか。まず家族の定義が広がっていることが考えられる。80%の人々が、従来の家族構成に加えて、未婚カップルと子供、あるいは未婚の片親と子供、同性カップルと子供といった形態も家族と認めている。国勢調査局は社会事情を考慮し、家族の定義を来年から広げる予定だという。

 結婚する理由も変わってきている。何世紀にわたって、経済的理由はトップであった。労働分化、収入分化、子供の養育分担もあった。しかし、今結婚する理由の第一位は愛、二位は話し相手、三位が子供、生活の安定は最下位となっている。

 「結婚形態は消えることはないが、時代遅れという見方は大きな社会変化だ」と、ピュー調査センターは言う。過去1世紀にわたって、家族形態に静かな革命が起こっているようだ。(ブログNewslog USAより)

農水省、除草剤耐性大豆の栽培等の試験でパブリックコメント募集  南米では大規模な生態系と農業の破壊

 農水省は12月24日、「遺伝子組換えダイズの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集」を始めた。締め切りは1月22日だ。対象となった大豆はバイエルクロップサイエンス株式会社が作った「除草剤グリホサート及びイソキサフルトール耐性ダイズ」とイミダゾリノン系除草剤耐性ダイズ。

 2010年22年2月5日付けで前者は隔離ほ場での栽培試験に関する承認申請、後者は食用又は飼料用に供するための使用、栽培、加工、保管、 運搬及び廃棄などについて申請があった。申請を受けた農水省は生物多様性影響評価検討会農作物分科会で審査、「我が国における生物多様性に影響が生ずるおそれはないものと判断した」として、パブリックコメント募集に踏み切ったもの。

 しかし、遺伝子組み換え大豆生産が広がっていう南米ではモンサントのグリホサートが深刻な問題を引き起こしていることが実証されされており、南米における遺伝子組み換え作物導入による影響を調査してきたNGO活動家の印鑰智哉さんは、日本への導入は大きな問題を引き起こすと警告している。

 農水省の審査過程は以下で読めまます。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550001288

 ここ数年、南米でアグリビジネス・遺伝子組み換え企業が主権国家の主権をまったく無視する形で非合法に遺伝子組み換え大豆を持ち込み、強力なロビーイングで合法化させました。その結果は数十万人単位の小農民、先住民族の難民化という事態です。ブラジル南部、パラグアイ、アルゼンチンの事態がかなりひどくなっています。

 日本ではほとんど報道されていないと思いますが、その動きをこの1年ほど追ってきました。Twitterでごく簡単にその都度の動きをメモしてあります。
http://twilog.org/tweets.cgi?id=tomo_nada&word=%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%8F%9B%E3%81%88

 農薬による被害は詳細に調査され、モンサントのグリホサートが深刻な問題を引き起こしていることが実証されていますが、大豆モノカルチャーの拡大は止まるところを知らず、あっという間に南米は世界の大豆の半分を生産するに至りつつあります。
http://www.gmwatch.org/component/content/article/12479-reports-reports-

 アグリビジネス、大土地所有者による先住民族、小農民の迫害の上、除草剤の被害が拡大する一方なのですが、その動きを止めるにはその大豆を買い付ける消費国を止めなければなりません。現在は多くはヨーロッパの家畜の餌になったり、中国などに輸出されていると思います(まだ詳しく調べられていませんが)。

 実際に遺伝子組み換えの動きは絶対に止められないものではなく、遺伝子組み換えのメッカである米国でも非遺伝子組み換えに切り替えている農民が増えているといいますし、最近でもドイツが遺伝子組み換えに対して断固たる姿勢を示しました。WikiLeaksでも米国政府があらゆる手を使ってヨーロッパの政府を落とそうとしていることが暴露されています。

 フィリピン・ダバオでも遺伝子組み換え作物を根こそぎにする命令が最近出ていますし、むしろ世界的には遺伝子組み換え企業にとって旗色悪い状態ではないかと思います。実際、モンサントの収益も最近大幅ダウンと聞きます。

 それを日本政府が諸手をあげて歓迎すれば市場が大きいので、遺伝子組み換え産業を助けてしまうことになりかねない。遺伝子組み換え企業は米国が一番強い ので、米国とのTPP協議では当然、遺伝子組み換えの受け入れが要求されてくるでしょう。

 日本政府が遺伝子組み換えを承認してしまえば、遺伝子組み換え企業の農業支配はさらに進んでしまいます。

 ということでこのパブリックコメントに対してしっかりガツンと反対意見をぶつけてやりたいと思っております。農水省に対してどうしたらいいか、みなさまのアドバイスをいただけると大変幸いです。

 印鑰 智哉 (日刊ベリタより)

40年前のコザ騒動を知っていますか

 沖縄県名護市在住の作家、目取真俊さんのブログでこの動画を知りました。12月20日の沖縄テレビの放送です。

 ※海鳴りの島から「40年前の叫び」

http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/447e7ec816a13f7e7b7c88affac21a2a

 1970年当時、北九州市で小学生だったわたしは、よど号ハイジャック事件、大阪万博は知っていても、このコザ騒動のことは知りませんでした。初めて知ったのはずっと後年、いつだったか記憶は定かではありませんが、故竹中労さんがルポルタージュの中で紹介しているのを読んだのが最初でした。炎上する車を背にカチャーシーを激しく踊る青年がいた、と竹中さんが聞き伝えで書き記した描写が、うろ覚えながらあたかも一枚の写真を見たかのように強く印象に残っています。

 本土(ヤマト)に住む日本人にとって、ことしは「沖縄差別」が可視化された1年でした。昨年の政権交代以来、米軍普天間飛行場の移設について鳩山由紀夫前首相がいったんは「最低でも県外」を掲げながら、結局は名護市辺野古への移設案に回帰。11月の知事選では、かつて自民・公明連立政権下では県内移設を容認していた現職の仲井真弘多氏も「県外」を公約に掲げ再選されました。もはや沖縄には県内移設受け入れの世論はないに等しいことが分からないはずはないのに、菅直人首相は12月17~18日に沖縄を訪れ「ベターの選択」と県内移設の受け入れをなおも求めました。仙谷由人官房長官が、後に撤回したとはいえ沖縄に「甘受」を求めた発言もありました。こうした出来事の数々を見れば、現政権がこれが本当に自国民に接する態度なのかと思うくらいに、沖縄に差別的であることに気づくのにさほどの困難はないだろうと思います。

 もう本土に住む日本人は、「沖縄差別」を知らなかった、気付かなかったでは済みません。現政権がいかにひどくても、その政権が成り立っているのは選挙の結果です。差別の責任は詰まるところ、日本国の有権者の一人一人が負っていると言うべきです。そうした状況である現在、40年前のコザ騒動のことは本土に住む日本人にも広く知られていい沖縄の現代史の出来事だと思います。(ブログ「ニュースワーカー2」より)

反貧困ネット湯浅事務局長 「年金減額案の再考を求める」緊急声明を発表

 政府は20日、年金支給額を減額することを決めた。これに対しを反貧困ネットの湯浅誠事務局長は同日、「年金減額案の再考を求める」緊急声明を発表した。声明で湯浅氏は、年金減額は貧困高齢者を直撃すること、年金だけでなく児童扶養手当、障害児童手当など幅広い分野に波及、低所得者を追い詰める、と指摘している。(日刊ベリタ編集部) 
 
緊急声明 
湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長) 
 
【年金減額案の再考を求める】 
ー各種手当にも幅広く影響ー 
 
 来年度の予算編成が大詰めを迎える中、年金の減額案が浮上している。年金支給額は全国消費者物価指数と連動する「物価スライド制」を採用しているため、法律を機械的に適用すれば、来年6月から各年金が0.3%程度減額されることになる。 
 
 政府の減額案については、年金財政の悪化を防ぐ観点、将来世代の負担増を避ける観点から賛同する意見も多い。政府内でもいったんは据え置きが検討されたものの、据え置き断念でまとまりつつあると報道されている。 
 
 しかし、私は再考を求めたい。 
 
 まず、日本では資産面などで高齢者は一般に若い世代よりも相対的に裕福というイメージがあるが、高齢者世代の格差は大きい。とりわけ高齢単身女性の約半数は相対的貧困状態にある。「減額はわずか数百円」と言うが、その数百円が大きな意味を持っている人たちがいる。低年金のために生活保護受給している高齢者世帯も少なくないから、生活保護支給額も増加するだろう。 
 
 また、報道ではまったく触れられていないが、今回の問題は年金のみに留まらず、低所得の社会的弱者に広く影響を及ぼす。物価スライドが適用される制度は、児童扶養手当、障害児童手当、特別障害者手当、中国残留邦人への自立支度金、ハンセン病療養所非入所者給与金、原爆被爆者援護金、予防接種健康被害救済制度など多岐に亘るからだ。これらも一斉に引き下げられてしまう可能性が高い。 
 
 相対的に裕福な高齢世代を守るために、現役世代が犠牲になるのはおかしいという表面的イメージだけで片付けるには、現実に及ぼす影響が大きすぎる。現役世代への影響を避けるためには、今後デフレを脱却しても今回の据え置き分については引上げしない旨を、特例法上明記すれば足りる。それがデフレ脱却を最重要課題としつつ、「国民の生活が第一」を掲げる民主党政権にとって、もっとも整合的な政策対応ではないか。 
 
 政府は今年、法人税減税を決めた。所要額は1兆5千億円で、法人の欠損金繰越制度見直しによる課税ベースの拡大や相続税増税をもってしてもなお4~5千億円が足らず、特別会計積立金等の「埋蔵金」をかき集める意向だ。年金の据え置きに必要な所要額は、約300億円だ。「国民の生活が第一」が本当なら、実現できない金額ではない。 
 
 年金減額が決まれば06年以来5年ぶりと言う。06年といえば、私は社会保障費総額1.1兆円の抑制を決めた小泉政権の「骨太の方針2006」を思い出す。あのころも、各種手当の抑制が繰り返され、格差・貧困の広がりに人々の目が向き、それが政権交代をもたらした。菅政権はどこと断絶し、何と連続しているのか、政権の方向性をしっかりと示してもらいたい。 
 
***** 
湯浅誠 
myuasa@k2.dion.ne.jp 
 
○NPO法人自立生活サポートセンター・もやい 
www.moyai.net 
03-3266-5744(火曜12~18時、金曜11~17時) 
○反貧困ネットワーク 
www.k5.dion.ne.jp/~hinky/ 

ペイリン氏、児童健康法令批判 Newslog USA

 米国では3分の1の児童が肥満とされる。オバマ大領領夫人は児童肥満防止運動推進派であり、最近児童健康法令も可決された。共和党保守派に絶大な人気があるペイリン氏は、政府の児童健康介入は「天与の権利」を剥奪するものと非難している。

 サラ・ペイリン氏は、元アラスカ州知事で2008年大統領選での共和党副大統領候補。先の中間選挙で、保守草の根「テイーパーテイ」候補者支援にまわってきた。2012年の大統領選出馬を匂わす発言をするなど、米メデイアでその言動が注目されている。

 現在ペイリン氏は、保守系フォックス・ニュースのコメンテイターである一方、ケーブルテレビTLC番組「サラ・ペイリンのアラスカ」でも人気を集めている。

 その番組内で、ペイリン氏は家族キャンプ中、スモアズの材料を探しながら、「デザートを食べるなって言ったミッシェル・オバマ夫人に、敬意を表して」と言った。スモアズはグラハムクラッカーに板チョコとマシュマロをはさんだスイートで、通常キャンプファイヤーであぶって食べる。「オバマ夫人に敬意を表して」とは、オバマ夫人の反肥満運動への揶揄である。

 AP通信によると、現在米国児童の3人に1人は、体重オーバーか肥満。成人同様、糖尿病、高血圧、高コレステロールなどの病気をかかえているという。オバマ夫人は「レッツ・ムーブ」運動を5月に表明し、よりよい食事と適度な運動が児童の健康改善に肝要と強調してきた。その一環として、甘いデザートの代替品を提案してきた。

 その運動を法的にしようと、13日にオバマ大統領は「健康で空腹のない児童法令」に署名している。同法令は、よりヘルシーで栄養ある食事を学校給食に加え、児童が健康な大人に育つのを目指している。それと同時に、低所得者層の児童が空腹にならないよう政府が補助するとしている。

 肥満予備軍を減らそうとする政府の動きに対して、ペイリン氏は「子供が何を食べるのかを決めるのは親だ。政府ではない」と主張する。「国民が何を食べるか自分で決めるのは、神から与えられし権利」とも言う。

 ペイリン氏の政府介入を極度に嫌う姿勢は、「テイーパーテイ」メンバーに多く見られる。「政府が国民の健康という個人的問題に、干渉するのは許せない」と言うのが概ねの意見だ。また、これら「テイーパーテイ」を煽っているのが、ペイリン氏でもある。

 誰もが自分の健康管理をして、責任をもてばいいというのはわかる。しかし、管理できない、責任をもてない親も多いのだ。現在成人の約6割が、体重オーバーか肥満という現実がある。その親に育てられたらどのような結果になるのかは、火を見るより明らかである。

 自分の食べたいものを食べる、政府は干渉するな。しかし、権利は主張する。連邦政府はいらないと言いながら、連邦政府管理の高齢者向け医療保険制度メデイケアーや、年金、失業保険などをいらないという声は聞こえてこない。児童肥満でも同様のことが言えそうである。(ブログ Newslog USAより)

隣国アイルランドの危機-ケルトの虎は再生できるか? 英国からの視線

10.12.25 by   カテゴリー: 世界の窓, 経済の話

 今年年末にかけて、アイルランドが国際的な注目を浴びた。残念ながら、良いニュースではなかった。かつては「ケルトの虎」といわれ、その目覚しい経済成長振りで世界中を驚かせたアイルランド。英国の隣国でもあるこの国が、大きな財政・金融危機に見舞われたからだ。11月末、欧州連合と国際通貨基金が総額850億ユーロ(約9兆4000億円)の緊急支援に合意し、危機の回復へと事態が動いたが、アイルランド政府が外からの融資を受け入れるまでに時間がかかった。国民の怒りは首都ダブリンでの大規模デモで表面化し、その様子が世界のメディアを通じて流れた。歴史的、地理的、経済的にも深い関係にある英政府はアイルランドへの2国間支援融資を決断した。アイルランドの現状を英国との関連から振り返ってみた。(「英国ニュースダイジェスト」掲載分に補足したものです。)

 人口約450万人のアイルランドは、近年、その経済成長の早さから「ケルトの虎」(ケルト民族の居住地であったことに由来する)と呼ばれてきた。その経済成長は不動産市場の活況に大きく由来しており、2008年、不動産バブルが崩壊すると、銀行は大量の不良債権を抱える羽目になった。これを救済するためにアイルランド政府は巨額資金をつぎ込んだが、今度はそのために財政赤字が広がってしまった。アイルランドの財政赤字は、今年、国内総生産(GDP)比で約32%に悪化する見込みだ。不景気で税収入が大きく減少し、失業率(13%前後)が上昇した。

 11月24日、アイルランド政府は来年から4年間で総額150億ユーロ(約1兆6700億円)を削減する緊縮財政策を発表した。公的部門で2万人を超える人員削減、付加価値税の21%から24%への引き上げなどが予定され、国民にとっては厳しい4年間となりそうだ。

 当初、自力で危機を乗り越えられると主張してきたアイルランド政府は、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)からの支援を受け入れることにし、同月29日、EUとIMFは、最大で850億ユーロ(約9兆4000億円)の支援策を決定した。2008年の世界的金融危機の影響後、ユーロ圏諸国でこうした形での支援を受けるのは、5月のギリシャに続き、アイルランドが2カ国目だ。

 EUは12月7日の財務相理事会でアイルランドへの支援策を正式決定したが、その内訳は、850億ユーロのうち、350億ユーロは金融機関対策、500億ユーロは財政支援にあてる。財源はEUが450億ユーロ、IMFが225億ユーロを拠出し、残り175億ユーロはアイルランドが自助努力で捻出することになっている。英国、デンマーク、スウェーデンとアイランドとの2カ国金融支援もEUの総額に含まれる。

 英国とアイルランドの結びつきは深い。かつてはアイルランド全体が英国の一部で(アイルランド南部は1922年、独立)、北部6州は現在でも「英領北アイルランド」である。英国はアイルランドの主な貿易相手(輸出では第3位、輸入では最大の貿易パートナー、2009年)であり、アイルランドの各銀行は英国本土で積極的に投資を続けてきた。アイルランドがもし経済破綻をすれば、ビジネス面、雇用面での影響は多大となる。

 そこでオズボーン英財務相はアイルランドに対し、約70億ポンド相当の2国間支援を行うことを議会で発表した。これは英国の家庭一戸にあたり300ポンドにあたる。英国自体が現在緊縮財政下にあり、たとえ隣国といえど、これほどの金額を提供する(ただし、あげるわけではなく貸し付けであるが)のは並大抵ではない。英国民が財務相の判断に複雑な思いを持つのも無理はない。

 現在の懸念の1つは、アイルランドの危機がほかのユーロ圏の国、たとえばイタリア、ポルトガル、スペインなどに波及するのではないか、という点だ。一方、経済構造や成長の度合いが異なる国がユーロという単一通貨を導入し、同一の金利政策の下で財政運営を行うというやり方が破綻しているという見方も出ている。

 格付け会社がアイルランドの格付けを下げる動きが出ており、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月17日、アイルランドの国債格付けを「Aa2」から「Baa1」に5段階引き下げ、フィッチ・レーティングスも長期信用格付けを「Aプラス」から「BBBプラス」に3段階引き下げた。

 EUやIMFによる支援策は決定されたものの、アイルランド経済の行き先、英国民の負担額の行方など、まだまだ先行きは不透明となっている。

―関連キーワード
Euro:ユーロ。欧州連合の経済通貨同盟で用いられている通貨。米ドルに次ぐ第2の基軸通貨とされる。1999年1月1日、決済用仮想通貨として導入され、2002年1月1日に現金通貨として発足。この時、導入国の従来の通貨に替わって2002年1月1日ユーロは法定通貨となった。名称は、当時のドイツの連邦財務相テオドール・ヴァイゲル氏の発案による。現在、欧州の22カ国で法定通貨として使用されており、そのうちの16か国が欧州連合加盟国である。英政府は、前労働党政権時代、英国の経済とユーロ圏の経済との差異などを含む5項目の経済テストを行い、現状ではユーロを導入しないという結論を出している。

ビルマ東部の戦闘で難民2万5000人がタイに 現地NGOが日本にも支援金を呼びかけ

10.12.24 by   カテゴリー: ニュースあれこれ, 世界の窓

 11月7日の総選挙の翌日からビルマ(ミャンマー)東部カレン州で起きた国軍と民主カイン仏教徒軍(DKBA)の戦闘で、2万5000人以上ものカレン人がタイ側に避難した。これだけ多くの難民がタイ側へ流出したのは、過去25年で初めて。長年現地で医療活動を行っているメータオ・クリニックを中心に構成される支援団体Forum on Burma’s Community Based Organizations (FCOB))からの要請をうけ、ビルマ市民フォーラム(PFB)では日本での支援基金の受け付けを始めた。(日刊ベリタ)(写真はカレン難民を治療するメータオ・クリニック、「ミジマ」より)

 
2010年12月17日 
ビルマ市民フォーラム 
 
 11月7日に行われた総選挙の翌日、ビルマ東部カレン州ミャワディで戦闘が起き、国境を挟んだタイ側へ2万5000人以上ものカレン民族住民が避難しました。これだけ多くの難民がタイ側へ流出したのは、過去25年で初めてのことです。 
 
 ビルマ国軍と民主カイン仏教徒軍(DKBA)との戦闘はその後も散発的に続いています(12月13日にも衝突があったとの報告)。 
 
 ビルマ側での情勢は不安定で、住民は危険にさらされたままです。タイ当局は避難民を一時的には受け入れるものの、砲撃などが止むとすぐに避難民を強制的にビルマ側へ帰国させているため、戦闘が再開するたびに避難民もまたタイ側に渡るといった繰り返しが1か月以上続いています。 
 
 長年現地で医療活動を行っているメータオ・クリニックを中心に構成される現地の支援団体(Forum on Burma’s Community Based Organizations (FCOB))からの報告によると、12月6日現在で3,600人以上がタイ側で支援を受けており、それ以上が知人や友人のもとへ身を寄せたり、タイ当局へみつからないようにと隠れていると見られています。加えて、その他、2,000人以上が国境の川沿いやビルマ側カレン州の奥地にも避難していると思われます。食料や飲料水も不足しています。 
 
 現地からの支援要請をうけ、ビルマ市民フォーラムでは避難民への支援基金を受け付けています。 
こうした状況にご理解いただき、ぜひご支援をお願いいたします。 
 
▼お振込先▼ 
三井住友銀行 麹町支店 
(普通)1607998 
名義:ビルマ難民支援基金事務局 渡辺彰悟 
(お手数ですが、お名前とご住所をPFB事務局(pfb@izumibashi-law.net )までお知らせください。) 
 
★お送りいただいた支援金はFCOBコーディネーター(メータオ・クリニック)へ送金され、 
避難民への支援へ使われます。 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
■■ 参考 
 
 
【現地映像・写真など】 
 
*以下のサイトから現地の映像がご覧いただけます。 
英語のみですが、現地の避難民の様子がご理解いただけるかと思います。 
是非ご覧ください。 
 
★Forum of Burma’s Community-Based Organizations (FCOB) 
 
▼現地情勢について(FCOB) 
2010年11月・12月(英語。ナレーションは下記、FCOBから各国政府宛の要請書とほぼ同様の内容です。) 
http://www.youtube.com/watch?v=MhxhDJ-T8qg 
 
▼タイ側へ避難した住民へのインタビュー映像(英語字幕) 
2010年11月撮影 
http://www.youtube.com/user/fcobforum#p/a/u/1/kSY2Oz1kghc 
 
▼タイ側へ避難した住民へのインタビュー映像(英語字幕) 
2010年12月8日撮影 
http://www.youtube.com/user/fcobforum#p/a/u/2/XFD3QsivwZQ 
 
▼FCOBフェイス・ブックのサイト(写真や映像などがご覧いただけます) 
http://www.facebook.com/FCOBForum 
 
★メータオ・クリニック 
<ウェブサイト>  http://maetaoclinic.org/ 
<フェイス・ブック> http://www.facebook.com/MaeTaoClinic 
 
★ビルマ民主の声(DVB) 
Refugees won’t go back(英語) 
http://www.youtube.com/user/DVBTVenglish#p/a/u/2/jnss-LIXwOk 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
【現地支援団体FCOBから各国政府へ宛てられた要請書】 
 
(日本語仮訳:ビルマ市民フォーラム) 
 
Forum on Burma’s Community Based Organizations (FCOB) 
2010年12月6日 
 
要 請 書 
-各国政府はビルマ東部の武力衝突により逃れ出た難民へ支援を- 
 
 11月7日にビルマで総選挙が実施されてから数週間の間に、ビルマ軍事政権(SPDC)からの武器の引渡しと国境警備隊への改編要請を拒否した少数民族の武装組織とビルマ国軍との間で緊張が高まり、タイ・ビルマ国境沿いの数ヶ所で武力衝突が起きました。その結果、10年ぶりとなるタイへの一般市民の大量流出という事態になりました。 
 
 11月8日だけで、2万5000人以上の住民がビルマ側のミャワディから国境を越え、タイのターク県メーソットへ逃れました。また、スリー・パゴダ・パス(三仏塔峠)での交戦により少なくても10,000人がタイへ逃れ、その間にあるウォーレイ村からも2,500人が避難しました。それ以来、頻繁に住民が国境を越え避難しています。 
 
 私たち現地コミュニティーの支援団体や国際NGOはタイに逃れ出た住民への支援活動を行っています。12月6日現在、3,600人がタイ側へ逃れ、現地コミュニティーから支援をうけています。タイへ逃れ出た人々の総計はこれ以上の数になります。2,000人以上が未だ住むところもなく、国境のモエ川沿いに避難していると思われます。カレン州の他の地域にも多くの人々が避難民となり逃れています。 
 
 タイ側に避難した住民の中には、自主的にビルマに帰国する人もいます。しかしながら、戦闘地域から逃れ出た人々の多くが、未だ安全面での心配がありながらも、現在も交戦状態にある地域へ強制的に帰国させられています。 
 
 今後はカレン州のみならず他の国境地域においても武力衝突の継続または激化の可能性が非常に高いです。こうした状況において、タイ当局とNGOは、戦闘地域から逃れ出た住民に対して、帰国しても安全上問題が無いことが明確になるまでの間は、必要な保護や支援を提供するようしっかりとした計画を打ち出す必要があります。また、このような人道危機を生み出している武力衝突を停止させるよう協調した努力も必要です。 
 
 したがって、私たちは、世界各国の政府に以下の点を要請いたします。 
 
● ビルマ軍事政権に対し、少数民族に対するすべての敵対行為および挑発的行動を停止し、少数民族代表者と民主化勢力との三者対話を実施するよう要請すること。 
 
● タイ政府に対し、戦闘地域から逃れて出た住民が一時的にタイへ避難することを許可し、安全上問題ないことが明確になるまでは、住民を戦闘地域に帰国させないよう要請すること。 
 
● 国連難民高等弁務官事務所に対し、タイに避難している住民のモニタリングと保護、そして現地コミュニティー団体と国際NGOの連携を図るよう要請すること。 
 
医師 シンシア・マウン 
FCOB コーディネーター 
 
*FCOBは11月7~8日の戦闘による避難民流出をうけ、設立された20以上の現地団体 
による連合体です。 
*要請書(英語)をご入用の方はPFB事務局までご連絡ください。 
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■□■ ビルマ市民フォーラム People’s Forum on Burma 
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東京都新宿区四谷1-18-6 四谷プラザビル4階 いずみ橋法律事務所内 
Tel: 03-5312-4817 Fax: 03-5312-4543 
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【ブラジル農業にかけた一日本人の戦い】⑩ 真綿で首を絞めるような米国の食糧戦略 

10.12.22 by   カテゴリー: 世界の窓, , 日本, 環境

ー開拓団地を買い戻したものの…

 横田さんが、融資先を求めて日本で奔走していた約40日の間に、整地されていたバヘイラスの「戦後移住者開拓団地」には雑草が生え、無残な姿に変わりつつあった。

 5,000万円の資金を携えてブラジルに戻った横田さんは、さっそくコチア産業組合の上層部たちと交渉し、「戦後移住者開拓団地」の買い戻しを進めていった。その結果、「組合側から借り受けている一切の資材や耕具を返却すれば、借金を帳消しにし、土地の売却に応ずる」という契約を取り付けたのだ。1992年の夏のことだった。

 横田さんは、開拓団地に残っている12家族を集めてこう言った。「トラクターから何から、今俺らが持っているものは全部組合に引き渡そう。そしたら借金はゼロになる。ただし、植え付けはもうちょっと待ってくれ。こんなに金利が高くては、作れば作るほど損になる。時期がくるまでは、自給自足の生活をして耐えてくれ」。

 当時の金利は20%。とても、新たに資金を借り受け、植え付けできる余裕はなかったのだ。

 しかし、こうした横田さんの呼びかけに応じたのは、12家族中4家族のみだった。せっかく日本から資金を調達してきたものの、あとの8家族は、開拓の夢をあきらめて出て行った。それも無理はなかった。

 「みんな、膨らむばかりの借金と八方ふさがりの状況に、精も根も尽き果てていたんでしょう」と横田さんは言う。

ー日本への“デカセギ”

 「農業の神様」「緑の魔術師」とまで呼ばれた彼らが、すべての財産を失ったあとに向かったのは、日本であった。1980年代後半の日本では、ブラジルから “デカセギ”にやってくる日系ブラジル人が増え始めていたが、これは、ブラジル農業が打撃を受けたことが大きな要因だったのだ。

 日本語が分からない日系2世や3世たちも多く、日本人との間にトラブルが頻発し、問題となっていたことは記憶に新しいところだろう。

 横田さん自身も、例外ではなかった。バヘイラスの「戦後移住者開拓団地」は守ったものの、サンパウロ州の土地を売り払った横田さんには、ほとんど財産が残っていなかった。しかし、5人の子どもは育てていかねばならない。横田さんの奥さまは、その生活費を稼ぐため、たったひとりで日本へと“デカセギ”に出かけていたのだ。残念なことに、横田一家は崩壊へと向かっていた。

ーコチア産業組合の崩壊と、恐るべきアメリカの食糧戦略

 一方、 “中南米で最大の農業組合”という名声を欲しいままにしていたコチア産業組合も、借金が莫大に膨れあがり、経営は悪化の一途をたどっていた。バヘイラスの「戦後移住者開拓団地」も売却し、その他の事業も縮小したが、すべて焼け石に水。日本政府からの融資の取り付けにも失敗したうえ、銀行からの取引も停止され、1994年9月、ついに自主解散となった。早い話、潰れてしまったのである。コチア産業組合の創立から、67年目の出来事であった。

 ちょうどこの頃、ブラジル社会で衰退してゆく日系農家を尻目に、ブラジルへ進出しはじめていたのがアメリカであった。アメリカは1960年代より、“緑の革命”と呼ばれる世界規模での食糧増産戦略を展開しており、発展途上国を中心に、大量の農薬や肥料、大型の灌漑設備、そして生産性の高い種子などをバラ撒くことで、食糧生産高の拡大をはかっていた。

 こうしたアメリカの食糧戦略は、ブラジルでも実を結びつつあった。かつては、セラード開発の先陣を切ったコチア産業組合も、アメリカ式農業を取り入れて、不毛の地を“豊穣の大地”へと作りかえていったのだから…。しかし、機が熟すのを待っていたアメリカは、やがてその果実を収穫しにやってきたのだ。

 横田さんは言う。「俺たちが10年以上かけて開発していたセラードを、じっと横目で狙っていたのがアメリカですよ。“穀物メジャー”がやって来て、組合が潰れたことで、融資が受けられなくなった俺たちの弱みにつけこんで、札束でほっぺたをブン殴るように土地を買い上げていったんです」。

 1990年代に入り、いわゆる“穀物メジャー”と呼ばれる穀物多国籍商社が、ブラジルでも力をつけはじめていた。少し補足説明しておくと、現在、世界の穀物のほとんどは、2大穀物メジャーと呼ばれるアメリカの「カーギル社」と、「アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社」によって支配されている。アメリカ政府官僚の天下り先としても知られた企業だ。

 この“穀物メジャー”がブラジルに進出し、それまで中南米の穀物を仕切っていたコチア産業組合に変わって、穀物市場を支配しはじめていたのだ。彼らとしてみれば、言うことを聞かない農家は追い出して、生産物をスムーズに手中に収めたかったのだろう。あの手この手を使って、横田さんらに圧力をかけはじめた。その手口はこうだ。

 「穀物メジャーの奴らがやってきて、『今なら、一俵7ドルで先物買いしてやる』と言うんです。俺たちは植え付けの資金もないし、仕方なく一万俵、二万俵と先売りするわけです。だけど、収穫時の国際相場は、その倍の一俵14ドルになる。俺たちにとっちゃ大損だけど、契約した手前、一俵7ドルで引き渡すしかないんです。『あまりにもヒドイじゃないか!』と俺たちが文句を言うと、翌年は『じゃあ融資をしてやる』と言ってくる。その代わり、利子は27%。これも仕方なく契約すると、なかなか融資が下りないんです。作物には、“植え付け時期”というものがあって、1ヶ月も遅れると収穫量は半分に減ってしまう。こうなれば、当然大損です。奴らはこれを狙って、生かさぬように殺さぬように、真綿で首を絞めるようにジワジワと、俺たちを追い込んでいったんですよ。どれほど苦しく、悔しかったことか…。でも、植え付け資金の調達をするためは、奴らの言いなりになるほかなかったんです」。

 地上げ屋のような輩がやってきて、横田さんにピストルを突きつけ「今すぐここから出て行け!」と脅されたこともあったというが、どんな目に合っても、横田さんは決して首を縦にふらなかった。しかし、たいていの人たちは、こうした状況に疲れ果て、土地を捨てて出て行ったのだ。

 この時期のことを思い出すと、横田さんは今でも胸が張り裂けそうになると言う。しかし、アメリカの戦略は、これにとどまらなかった。(つづく)

医療保険未加入者増加 Newslog USA

 米国の医療保険未加入者は増え続け、現在約5000万人。長引く不景気で中流階級の一部が、無保険層に滑りこんでいる。頼みの綱は、来年3月可決の医療保険改革法。しかし、中間選挙で共和党が下院を制したことで、その見直しまたは破棄も考えられる。

 米国疾病予防管理センターのレポートによると、ここ10年間で、民間医療保険加入者の数は徐徐に減っている。65歳未満で4人に1人は、過去1年間で無保険の時期があったとしている。

 米国での医療費は非常に高い。一般に救急車の費用は1回約1000ドルから1500ドル。ヘリコプターで搬送される場合の費用は、約1万ドル。腹部MRI画像1枚で2000ドル。病院のベッドに治療もなしに数時間いるだけで、1000ドルはとられる。

 数字を挙げればきりがないが、とにかく保険に加入していなければ、とても病院で診察など受けることはできない。また、たとえ加入していたとしても、保険の種類にもよるが、最初の数百ドル、もしくは数千ドルは実費となるケースが多い。

 またカイザー財団の調査では、昨年1年間で民間医療保険料は平均一人4800ドル、1家族では13000ドルにも上っている。低所得者層には、連邦政府による医療保険制度メデイケイドがあるが、貧困レベル以上の収入では、政府からの援助は難しい。現在政府が定めている貧困ラインは、4人所帯で年間約22000ドルとなっている。

 オバマ政権が3月に可決した医療保険改革法は、段階的にとらえられ2019年には65才以下の成人の95%が保険加入になる。また、新法は病気予防も保険対象となる。この改革法が、将来唯一の無保険者救済方法なのだが、最新のラスムセン世論調査では、57%の国民が改革法破棄を求めているという。

 中間選挙で、共和党を躍進させた「テイーパーテイ(茶会)」メンバーは、この改革法を「悪」と決めつける。「なぜ連邦政府が、個人の健康に口出ししないといけないのか」と言うのが、概ね彼らの意見である。「自分のことは自分で管理する、政府に干渉されたくない」「自立している」と人々は言う。「なぜ他人の医療に税金を払わないといけないのか」。

 アリゾナ州プレスコットバレーで、茶会メンバーのガート・ラファソさんは「オバマは、市民の選択の自由を奪っている。皆が同じ医療保険制度なんかありえない。自分のことは自分で決める。それが米国人」と言い切る。

 つまり、多くの医療保険改革法に反対する人々は、連邦政府の制度下に置かれることに怒りをもつようである。しかし、茶会メンバーの多くは定年退職者。政府管理の65歳以上向けの医療保険制度・メデイケアーの加入者である。「政府の指図は受けない」と息巻いてはいるが、政府管理の医療保険制度下で医療補助を受け税金を使っているのだ。「自立している」という言葉と、その行動には矛盾があるようだ。(ブログ「Newslog USA」より)

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